ハァ ハァ ハァ

ハァハァ ハァ ハァ

ハァハァ

まだ追ってくる。

もう直ぐ後ろに来てるのが分かる。

ヤバいヤバいヤバい!!

『止まれ!!』

『Σっ!!!』

そいつは走っているワシの肩を力任せに掴み壁に叩き付けてきた。

『……ハァ…ハァ……ハァ……貴様は…フーンだろ?』

息を切らして何時もより目付きの悪くしたアラがワシを睨みかけてきた。

『ハァハァ……っハァ…違う人……』

ワシもアラに負けないくらい息を切らしてアラに言った。

『嘘をつくんじゃねえよ!!!』

ギリッ

『Σっ!!』

壁に押さえつけているワシの肩を掴んだ手の力が増した。

痛い………。

これはマジで痛いって!!!ιι

泣きそうι

助けを呼ぼうにも、いつの間にかワシらは人気の無い路地裏に迷い込んでいた様で誰にも助けを求める事が出来ない。

そんな事を考えて居たらワシらとは違う別の声が薄暗く静かな路地裏に響いた。


『何をしているのですか?』

その声がした方を見ればそこには不思議な雰囲気を漂わせた人物が笑みを浮かべ、ワシらを見て立っていた。

……………ってか何故ぬいぐるみを乗せてるんや?!!

その人物は両肩と頭に一体ずつ可愛らしいぬいぐるみを乗せていた。

『んだ?てめぇは!こっちは今取り込み中なんだよ!!邪魔すんじゃねえ!!!!』

声を荒げてアラは男に言い放った。

『そうもいきませんよ。今、貴方が壁に押さえつけいる人物は私の妻なんですから。』

にっこりと男はアラに向かって言った。




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