*フーン視点。 『フーン、コレを持って行け。』 『ん?これは……?』 シグアは古びた本をフーンに手渡した。 『これは私の大切にしている魔道書じゃ。』 びっくりしてシグアを見ればシグアは笑顔で。 『大切に使うんじゃぞ。』 そう言いワシらから一歩離れた。 『…………気を付けて行ってこい。お主らといた時を忘れんよ…。』 …………………え? シグア、何を言ってるんや? 『何を言ってるんだ?帰って来たら今以上に忘れられないほど煩くなるぞ?』 笑ってハーンは言った。 『そうじゃぞ!儂らが居なくなって寂しくなったらその記憶を思い出せ!まあ、儂らは繋がってるから良いんじゃがな。』 『繋がってる?』 『………ああ、魔力でな。』 『…………シグア?』 一瞬シグアは辛そうな顔をした様な気がした。 『はよ行け!こうもグダグダしてたらやってられん!!』 あれ…さっきのは気のせいかな。 『じゃあ、いこ。』 ワシの言葉に皆は頷き。 歩き出した。 シグアに手を振りながら離れていく。 シグアもワシらが見えなくなるまで家の前に立っていた。 ▼|戻る|▲ |