*フーン視点。



『フーン、コレを持って行け。』

『ん?これは……?』

シグアは古びた本をフーンに手渡した。

『これは私の大切にしている魔道書じゃ。』

びっくりしてシグアを見ればシグアは笑顔で。

『大切に使うんじゃぞ。』

そう言いワシらから一歩離れた。


『…………気を付けて行ってこい。お主らといた時を忘れんよ…。』


…………………え?

シグア、何を言ってるんや?

『何を言ってるんだ?帰って来たら今以上に忘れられないほど煩くなるぞ?』

笑ってハーンは言った。

『そうじゃぞ!儂らが居なくなって寂しくなったらその記憶を思い出せ!まあ、儂らは繋がってるから良いんじゃがな。』


『繋がってる?』

『………ああ、魔力でな。』

『…………シグア?』

一瞬シグアは辛そうな顔をした様な気がした。

『はよ行け!こうもグダグダしてたらやってられん!!』


あれ…さっきのは気のせいかな。

『じゃあ、いこ。』

ワシの言葉に皆は頷き。

歩き出した。


シグアに手を振りながら離れていく。

シグアもワシらが見えなくなるまで家の前に立っていた。




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