アレから旅の準備をして、足りないものは慌てて街に行き買い揃えた。

そして今は朝、出ていく時。


『………………シグア…。』

『クスッ、なんちゅう顔をしておるんじゃ。今からやらねばならん事をしに行く者の顔では無いぞ?』

可笑しそうに笑ってシグアはフーンの頭を撫でた。


『……』

『ハーン、ちゃんと周りの者の事も見るんじゃぞ?そして本も大切にせい。』

『うっ…わ、わかってる。』

痛い所をつかれハーンは顔をそらした。

そんなハーンの背中をシグアは叩き笑う。


『……………』

『カゲ、(ロウ)ボソッ 皆の事を頼んだぞ?お主も溜めすぎずに周りの者に頼るんじゃ、よいな?』

『うん。…うん、わかってる…。』

泣きそうな顔をしているカゲに優しく頭を撫でて手に有るものを渡した。

『これは御守りじゃ。持ってゆけ。』

そう言いカゲに小さく綺麗な羽根型のブローチを手渡し、ポンポンと頭を叩き笑った。


そしてリグアに目を向けた。

『じゃあ行ってくるぞ!』

『ああ、頼んだぞ?』

『任せろ!』

リグアは相変わらず無邪気に笑って言った。




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