暫し無言になった後、シグアは小さく口を開いた。


『………フーンを頼むぞ?』

『ん。』

力強く頷いたロウはシグアに背を向け家の方に足を向けた。

『フーンは俺らの母親だからな!守ってやるよ。因みにシグアは父親な!じゃあお休みー!!』

そう言ってロウは走ってその場を後にした。

『ち、父親じゃと!ι』

ロウが走り去っていく後ろ姿を見詰めシグアは小さくため息をつき苦笑して月に目を向けた。


『あやつは本名を言うんじゃろうか………。』

影狼一族は大切な仲間か家族にしか本名を言わない。


『…はぁ〜………寂しくなるの〜。』

フーン、ハーンも、そしてリグアも出て行く。

一人になる…か……。

ハァ〜

にしても若いの〜…。

私ももう少し若かったら悩んだり色々青春を味わえたんじゃが、生憎肉体だけ若こうて精神が年寄りじゃからの〜。


それから少ししてからシグアもその場を後にし、家へと戻って行った。

………………

…………




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