………………

………


*シグア視点。



月明かりの中、シグアは外で月を眺めていた。

『……………何のようじゃ。』

シグアが月から目を反らさずに言う。

そのシグアの声に答えるかのようにシグアの後ろの木の上から笑い声が響いた。

『ハハ、いつから気付いてたんだ?』

『私が外に出ていく時からじゃ。』

『ちぇっ、最初からかよ。ツマンネーの!』

木の上で不貞腐れた様に言う相手にシグアはため息をついた。

『あっ、言っとくけど。今俺は昼間の女の方、カゲじゃないぜ?今は男でロウってんだ。』

そう言いカゲ…いやロウはシグアから視線を月に変えた。

『………ロウ。…何のつもりであやつらに着いてきたのじゃ?主ら一族が姿を隠さずに昼間に行動して、ましてや一般の者と寝泊りを一緒にする等。普通なら考えられんことじゃぞ。』

フーンが連れてきたこやつらは、影狼一族という種族じゃ。
影狼一族は冷酷でどんな相手でも金をつめば1つ返事でどんな事でもすると言われておるのじゃ。
その中でも多いのは、暗殺。

そんな一族のこやつらが何故あやつらと一緒に、ましてや傍にいるという。

何か裏があるのではないか?

あるとしたらなんじゃ。


真剣な顔をしてロウを睨むシグアにロウは笑った。




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