へ〜、静かなんやな〜。

鼻歌を歌い周りを見ながら歩いていると、ある路地に怪しい店のようなモノが見えた。


何だろう……。

好奇心で胸を高鳴らせているフーンはいかにも怪しいその路地に足を進めて行った。


今、怪しい店のような店の前に立っている。

黒い布で飾られたこの場所にワシは何故か興味が引かれた。

ずーっと見ていると店なのかというお店から誰かが出てきた。


『はは、じゃあまた頼むぜ?』

『はい、任せて下さい。』

出てきた二人の男を何とか無しに見ていると客であろう男が握っている鎖を引っ張り歩き出した。

『さっさと来い!!』

そう言って歩く男が引っ張った鎖の先には………。

少女がいた。


次の瞬間少女と目が合った。

いや、ワシは仮面をつけている。

だから合ったかどうかは分からないけれど、ワシの体は動いていて。

気が付いた時には、鎖を引っ張っていた男を蹴り飛ばし、店の人間だろう男も投げ飛ばしていた。


『…………』

ワシは唖然と今の状況に困惑していると服の裾を引かれた。

引かれた方を見れば、そこには少女がいた。


『…………大丈夫?』

『……うん。お姉さんは?』

『大丈、夫。…えっ、と…名前は?』

『カゲロウ。』

『俺は、風雨。フーン、で…良いよ。』

『じゃあ私はカゲって呼んで。』




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