どれだけ走ったのか分からないけれど、後ろを見ればいつの間にか追ってきていた奴等の姿はなかった。 はぁ〜………何とか巻けたか。 息をきらしながらオレは、その場に力が抜けたように座り込んだ。 …………… ……… ガサッ ん? あれから数分、何処からか草を踏む音が聞こえた。 ヤバい、また奴等か。 ため息をつき、オレは立ち上がってその音がした方に目線を向けた。 「…………あれ?」 見た先にいたのは、この頃会えてなかった人物だった。 「巳叉?」 ビクッ 巳叉はオレの声に一度体を震わせ、オレの方にゆっくり向いた。 ▼ ▲ |