「…………チョコ…好きなのか？」 「ん？強いて言うなら好きだな。」 オレの言った言葉にさっきまでの表情は嘘の様に満面の笑みでオレに向かって歩いて来てオレの手を掴み。 「本当か？！本当なのか？！！やはりチョコは良いよな？！♪」 キラキラしたその笑顔に内心では眩しー！！っと叫びながらいるとお兄さんは片手をオレの手から離してポケットに入れていたチョコを取り出してオレの手に持たせた。 「ふふ、チョコレートを好きな奴に大人になって会う日が来るなんて思わなかった。」 そう言うお兄さんにオレは受け取ったチョコを馬の被り物を外さずにほうばり。 「今までいなかったのか？」 「ああ、いなかった。それに、私のイメージに合わないらしい。」 少し悲しそうな顔をして笑う相手を見てオレはそいつの頭をぐしゃぐしゃっと撫で繰り回した。 「Σっ！な、何を！」 そのオレの行動に慌てて止めようと手を掴んで来た相手を無視してオレは撫で続けた。 「よしっ、なら二人でチョコレートを愛する会でも作るか！！」 笑ってそう言いぐしゃぐしゃと撫でていた手を止めてお兄さんを見ればお兄さんはまたもや驚いた表情をしてオレを見ていた。 「ｸｸｯ、お前さっきから驚いてばかりだな。」 可笑しくて被り物の中で笑っているとお兄さんは目を輝かせてオレを見てきた。 「良いのか？後で撤回は出来ないからな？」 そう言って嬉しそうにするお兄さんにオレは笑って撤回はしないと言った。 ▼ ▲ |