こうやって溶けて消えていく


これの続き
※オメガバースパロ
幸村→アルファ・仁王→オメガ



「相変わらず体の相性だけはいいんだから、皮肉なもんだよね」
後ろから何度も突かれる度に、額に滲んだ汗がぽたりと手の甲に落ちる。
仁王は皺一つなかったクッションに顔を埋めて、背後からの衝撃に耐える。気持ちが良くて、頭がどうにかなってしまいそうで、それが一種の恐怖さえ生み出す。
「…っ、あ、あっ」
女みたいな声で喘ぐ度に死んでしまいたくなる。本能とはいえ、尊厳も何も存在を許されないオメガはアルファの性欲処理に利用されるだけに過ぎない。求めたくない欲なのに、体は貪欲に快楽を求める。
「ふふ、すごく気持ちいいよ」
「…っ!」
本能とは皮肉なもので、仁王の亀頭から溢れる先走りはとどまることを知らない。
「いやじゃ、…っい、ぁ」
否定の言葉と裏腹に、亀頭を指先でなぞられるだけでびくんと腰が震える。首の皮一枚で理性がもがいていた。
はやくイキたい。繰り返し訪れる快感の波に耐えられず、仁王は幸村を肩越しに振り返った。仁王を見るなり幸村は口の端を吊り上げる。

「本当に似合ってる、その雌顔」

幸村はそのまま果てて、遅れて仁王もシーツに欲を吐き出した。



2015/04/02
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