相反する立場 | ナノ




3

《side Detectiveboys》


コナン達が元太を連れてトイレまで来ての待機中に一つの轟音が響いた。

「な、なんですか?今の音」
「おっきな音したね」


銃声だろうか?

不安になったのか個室の中から元太が声を出す。


「おい、何かあったのかよ?」
「元太はそのまま。光彦と歩美ちゃんもここいろ。お前らも。ちょっと様子を見てくる」
「あっコナン君」


何かの事件だろうかとコナンはトイレから飛び出し様子を見に音をたてないように急ぐ。

まだ何があったか分からず、危険もあるかもしれないと考えて他の人には来るなと伝えたが、気づいたらランボがいた。


「何で来た?」
「護衛が俺らの任務だって言ったでしょ。大丈夫。あの子達にはフランがついてるから」


当然小声での会話だ。

そして、今日の帰り道での会話ではランボはフランを下に見ているような発言をしていたが信頼しているらしいと知った。

追い返せそうになく寧ろ先に歩き出したランボに付いていく形になったが、壁からそっと顔をだすと平常でない様子の銀行が見えた。

客を床に座らせた複数の黒い覆面達が銃を使ってその場を制圧している。


(銀行強盗ってか)


隣にいるランボを見ると目を細めている。

マフィアだと言っていたが、やはりこの状況は良くないと判断しているのだろうか。

見覚えのあるFBIの女性を見つけてその場を離れた。

「で、どうするの?」
「そりゃ当然取っ捕まえる」


トイレにいる元太達の元へ行こうとする間、銀行強盗をどうやって撃退するかを考えていると隣のランボから声をかけられた。


「銃とか持ってたんだもんね。危険だよ」
「だから安全策を考える。…協力してくれるよな?」
「歩美や光彦や元太を危ないことになるべく巻き込みたくないってこと?いいよ。荒事なら馴れてるんだもんね」


護衛だとか危険だとか言いながらも反対はしないらしい。

というか、荒事に馴れてるってどのくらいだ?

銃は見馴れているということだろうか、それとも撃ったことあるとか?

コナンは自身が幼稚化してから銃を撃ったことも飛行機の操縦の補佐をしたこともあるだけに判断に困る。

そもそも犯罪組織の基準など分かるはずもない。


「余程の怪我や命に関わるようなことが起きない限りは普通の子供より運動神経が高い、くらいの認識で。だから指示はよろしく。任せたんだもんね」
「オイ待て。怪我や命に関わるようなことが起きない限りは普通って何だ?非常事態には能力あがるのかよ」


あまりに考えていたことをそのままに当てられ返事されたようなタイミングのランボの言葉に、皮肉っぽい口調で返す。

コナンが持つ靴や眼鏡やベルトのようなお役立ちアイテムを持っているということだろうか。

いくらマフィアといっても銃や爆弾などの凶器を身に付けている、なんてことはないよなとコナンは考えて、返事を待つ。

ランボは一拍二拍と考え込んでから結局、その時になれば分かる、と答えた。


「なんだそりゃ」
「今それを言っても目にするまでは信じられないから」
「は?」
「でもま、いざというときは頼ってくれていいんだもんね」




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