※裏要素有り注意

彼女の隣に居るのは彼氏。こんな当たり前のことなんだけど、その当たり前のことができていないのが現実だ。
「しずおー」
「んー」
俺の彼女、平和島静緒の隣に居るのはサイケと津軽という、俺が暇潰しに作った歌唱用ロボット。
この歌唱用ロボットが俺のシズちゃんの隣を独占しているわけだ。ソファーに座ったシズちゃんの右手に津軽、左手にサイケ。二人ともシズちゃんに抱きついて落ち着いているのだ。
それだけなら、俺もいい大人だしさ、子ども相手に嫉妬してるのバレたくないし嫉妬してますっていうオーラを出さない。
でもこの子たちは俺のシズちゃんのふかふかふわふわぽにょぽにょ胸に頭をぐりぐりと押し付けて甘えてるんだよ!しかも意図的にやってないのがタチ悪い!
あの高級ベッドよりも柔らかくて気持ち良い胸は俺だけのものなのに!
「んっ、しずお…しずおー」
「どうした?サイケ。」
「呼んだだけー」
「しずおっ」
「津軽?」
「呼んだだけー」
さっきからずっとこの調子だ。シズちゃんはずっとサイケと津軽を抱き締めてるし、津軽とサイケが交互にシズちゃんを呼んではふかふか胸に顔を埋める、本当に羨ましくて仕方ないんだけど。
ずっと俺たち三人で住んでるから、たまにマンションに来るシズちゃんが珍しくて甘えるのは仕方がないと思うのだが。俺もシズちゃんに甘えたい。そりゃあ、恋人なんだし…当たり前のことだよね。
「と、言うわけで、」
「ん、臨也?」
「俺もシズちゃんに甘える!」
シズちゃんのピンク色の唇にキスして、驚きで開いている隙にシズちゃんの口内に舌を捩じ込む。そしてシズちゃんの舌を絡めてとれば「ふぁ、はふん…」と小さく喘ぎ始めた。ヤバい可愛い、興奮する。
「ばか、やめろ…」
「ん、ごめん。我慢できない。」
サイケと津軽を引き剥がし胸を揉む。ぷにぷに、もにゅもにゅ、もみもみ。俺の手の中で自由自在に形を変えるそれを見て口の端がつり上がる。
「やぁっ、サイケと、津軽が見てるからだめぇ…」
「気にしないでいいよ。…見られてる気がして感じる?」
「あん、ば、ばかぁっ…」
そんなことを話しながら服を脱がそうとするとさすがにシズちゃんもまずいと思ったらしい、俺の手を掴んできた。
「大丈夫だって。津軽とサイケ、もう二人だけの世界に入ってるからさ。」
ちらっとサイケと津軽の方を見てみれば、サイケが津軽の着物の中に手を入れているのがわかった。津軽は目を閉じて耐えている。可愛いね、シズちゃんに似てるのもあるけどさ。シズちゃんはその様子を見て頬をぼっと赤くさせた。
「二人を見て興奮しちゃった?」
「っふぁ…」
「…二人で一緒に熱くなろう?静緒。」
いつもと違った呼び方をしたら、ああもうどうにでもしろ!とシズちゃんは言って顔を隠した。もう可愛いなぁ、顔隠しても耳の赤さでわかるのに!

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テーマ「人外ファンタジー」
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