※来神設定

「シズちゃんシズちゃん、これ見て!可愛くない?」
屋上で新羅と門田と、ぼーっとしながら弁当を食べてていたら目の前に折原臨也が現れた。
そして臨也はピンク色のうさぎのぬいぐるみを私の前に差し出してそう言ったのだ。
「え、そりゃ、可愛いと思うが…このぬいぐるみどうしたんだ?」
「昨日、ゲーセンでとったんだ!俺はいらないから、シズちゃんにあげるね!」
臨也は私にぬいぐるみを押し付けると、にこっと微笑んだ。
最近、こうやって可愛いものを見つけては私にプレゼントしてくれる。標識を振り回すことができる私だけど、一応女の子な訳で、可愛いものは好きだから嬉しいけど、臨也の目的がさっぱりわからない。
「くれるのか?ありがとう。」
こんな素っ気ない態度しかできない自分が悔しい。
こうやって誰かから何かをプレゼントされたことがないから、どうも照れてしまうのだ。
「そのうさぎ、シズちゃんみたいだよねー」
臨也はまだ眩しい程の笑顔を浮かべたままパンの袋を開けてパンをかじった。
「このうさぎが私?お世辞にもならないぞ。こんなもふもふした可愛いうさぎが私に似てるはずないだろ。」
ぬいぐるみの頭をなでなでしたら、予想以上にもふもふして気持ち良い。可愛いし。
「えー?似てるのにー。あっ、そのピン、前に俺があげたやつだよね!思った通りだ、よく似合ってる!」
前髪を少し、小さい花がついた赤いピンで留めているのだが、このピンも先週臨也からもらったものだ。
私が今左手首につけている、天然石のブレスレットだって臨也からのプレゼントだ。
正直言って、最近の臨也の行動が読めない。何が目的なんだ?
今月何回目かの臨也と静緒のやり取りを見て、岸谷新羅と門田京平はため息をついた。
「臨也、静緒、ごめん。僕たちちょっと用事思い出したから。」
そう言って二人は屋上を出て教室に戻り、新羅は弁当箱を広げて、門田はパンをまた取り出して食べ始めた。
「臨也は何であんな形でしか想いを伝えられないんだろうな?」
門田の言葉にうんうんと頷く新羅。二人は臨也から静緒について恋の相談をされていたのだった。
「全くその通りだよ。僕がいつもセルティにやるみたいに、ストレートに好きって言えばいいのに。」
「静緒も静緒だよな、あんなにあからさまに想いを伝えてるのに気付かないし。」
「静緒だから仕方ないよ。あの子は友だちの痛みや悲しみ以外は鈍いからね。」
「臨也の片想いに気付いてないのって、たぶん静緒だけだよな。」
「うん、そうだと思うよ。たぶん静緒も知らず知らずのうちに臨也に惹かれているんだと思うけど、まだ自分の気持ちに気付いてないって感じかな。結局、相思相愛って感じなんだけど…」
そして二人はまた溜め息を吐き、まるで臨也と静緒の保護者であるかのように、二人をどうやってくっつかせるか悩むのであった。

end

………………………
1000hit企画にくれーぷ様にリクエストし、書いて頂いた臨也×静緒でございます!
こういう初々しいの、私大好きです!←
くれーぷ様、ありがとうございます!
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -