※汚い言葉のオンパレード注意。

「甘楽、聞いてくれ!最近ストーカー行為がぱったりと止んだんだ。心配かけてごめんな。」
照れくさそうに笑いながらシズちゃんがそう言うので、思わず笑みがこぼれる。
「そうなの?本当に良かった!ずっと気がかりだったんだ。」
シズちゃんの胸にぽすんと顔を埋めると、何回もありがとうと言われた。
シズちゃんは気付いてるのかもしれない、私がストーカーを撃退したことを。でもその後まではさすがに知らないだろう。
その翌日、シズちゃんの家を出てから私は新羅にストーカー男の居場所と特徴を伝えてセルティに私の家までその男を気絶させて運んでもらった。
『この男が何かしたのか?』
「私のテリトリーに侵入して私のものをちょっとつまみ食いしたんだよ…ふふ。」
『…そうか。』
彼女がどこまで理解したかは私には理解できないが、あまり詮索してこない彼女をシズちゃんが好ましく思うのも無理はないと思う。
「あ、もうちょっと仕事してもらいたいんだ。ごめん、この部屋で待ってくれる?」
玄関の近くにあるドアを開けてそこにセルティを通す。何もない部屋だ。
ドアを閉めたのを確認して、男を縄で縛り上げて放置しておく。数十分後、男は目を覚ましたらしく、ゆっくりと起き上がった。
「…お前は誰だ…ここは…」
「初めまして、――さん。私の名前は……まあ、どうせすぐに別れるんだから自己紹介の必要はないよね。」
「なんで、俺の名前を…」
「…貴方のことは全て調べさせてもらったよ。私はシズちゃん…平和島静緒の彼氏。まあ、今のところ自称だけど。」
私がシズちゃんの名前を口にした途端に男はいきなり態度を変えた。怯えた態度から、強気な態度に。
「静緒ちゃんの彼氏はこの俺だ!静緒ちゃんは俺のも……ガッ!」
我慢できなくなって思わず男の顔面を本気で蹴ってしまった。それから倒れた男の頭に足を置き、足に力を込める。
相手が態度を変えてきたから、私も態度を変えて本性をさらけ出すことにする。
「アンタみたいな汚ならしい下等生物が、可愛くて純粋な天使の名前を呼んでいいと思ってるの?アンタなんかがシズちゃんの彼氏?笑わせないでよ。シズちゃんを傷付けて泣かせるような下衆野郎が彼氏なんかになれると思ってるの?シズちゃんが座る椅子の脚にもなれない器なのよ、アンタは。そろそろ気付いたらどうなの?」
更に足に力を込めながら言葉を続ける。
「知ってる?人間って身体的な損傷よりも精神的な損傷の方が痛いんだよ。アンタがシズちゃんに与えたのは精神的な損傷。すごい痛いの。わかる?だから私も、アンタに精神的な損傷を与えることにするわ。シズちゃんは優しすぎるほど優しいから、私が代わりにアンタみたいな糞虫を虐めてあげる。シズちゃんに感謝しなさい。」
「な、にを…」
「アンタに発言権を与えた覚えはないわ、黙れ。警察に通報するだけじゃ罰を与えたことにはならないから、まずは…そうねぇ、去勢してもらおうかな。費用はアンタの銀行から引き出しとくね。私は男じゃないからよくわからないけどさ、去勢って屈辱的なんじゃないかしら。……取ったものって売れるのかな?あはっ、もし売れたらそのお金は私が貰っておくね!」
男がみるみる青ざめていく。
「その後はその手の人にアンタを連れていってもらうから。好きでもない人に掘られる恐怖をアンタも味わうといい…男なしでは生きれないようにしてあげる。」
よく見ると男が涙目になっている気がする。
「…つまらない、非常につまらない。人間として観察する価値もない。私の予想通りの反応するんだもの。私がまだアンタがシズちゃんをストーカーしているという確固たる証拠を提示してもないのに勝手に認めるなんて、せっかく録画した意味ないじゃない。」
ドアを開けてセルティを呼ぶ。
『で、どこに連れて行けばいいんだ?』
「まずは新羅のとこで去勢してもらっていい?去勢の費用とかよくわかんないから連絡してほしいかな。入院とかしなきゃいけないのかな?これもよくわからないから連絡して?」
お金が入った茶色い封筒を渡すとセルティは頷き男を引き摺りながら家から出ていった。
………という経緯があった。今はもうその手の人に引き渡したからどうなってるかなんて知る由もないけど。あ、なんかまたムカついてきた。
「お礼にさ、私に何かできることないか?」
ふわっと微笑む天使のようなシズちゃんを見てその怒りを忘れた。
だって可愛いんだもんっ!
「じゃあ今日の放課後、一緒に買い物に行かない?その後泊まりに行ってもいいかな?」
あまりぼやぼやしていられない。いつ、また悪い虫がつくかわからないから何か対策とらないと。
私は貴女の騎士です!

end

………………………
1000hit企画にくれーぷ様にリクエストし、書いて頂いた甘楽×静緒です!
臨静、サイ津だけでなく甘楽×静緒も書けるくれーぷ様は素敵です!
くれーぷ様、ありがとうございます!
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