「門田くんは昔から静雄にはこんなだよ」
「新羅…と、セルティ!」
「や、久しぶり。最近はあんまりうちに来てないけど怪我してない?」
「いや、怪我してもすぐ治っちまうから放置して…」
「それはいけないよ!この世にはね、目には見えないかもしれないけど細菌がうじゃうじゃいるんだよ…!?いくら君でも目に見えないものじゃ太刀打ち出来ないよ。だから怪我したらすぐに医者に見せること。あ、もちろんうちに来るんだよ?普通の病院じゃびっくりされちゃうから」
「あ、ああ」
一気に捲し立てる新羅に静雄は気圧される。
「ならよし」
うんうんと頷く新羅に、よくわからないがとりあえず怪我したら新羅のとこに行こうと静雄が思っていると、目の前にPDAが差し出される。
『静雄、久しぶりだな!元気だったか?』
「ああ。お前も元気そうで良かった」
『元気だが、私は静雄に会えなくて寂しかったぞ!』
「セルティ…ありがとな。俺も…寂し、かったよ」
照れながら言う静雄にセルティは興奮気味にPDAをうち、見せる。
『静雄…!また遊ぼうな!』
「ああ」
やや通常よりも緩んだ表情を浮かべる静雄に、周りも自然と頬が緩む。そこに…。
「兄貴」
「幽…」
「ねぇ、今日泊まりにいってもいい?」
「あ?なんだ、急に」
「久しぶりに兄貴と飲みたいなって」
静雄の袖を引っ張りつつ幽がそう言うと。
「ああ…けど、うちは客用の布団なんてねぇぞ?」
「いいよ、別に。前みたいに兄貴と一緒に寝るから」
「…ったく、しゃあねぇな。狭くても知らねぇぞ」
と言いつつどこか嬉しそうである。
「大丈夫。ひっついてれば寝れるから」
「…そんなにうちがいいのか。別にお前んちでも…」
「だって兄貴明日も仕事でしょ?わざわざ来てもらうの悪いし」
「俺の為か…幽」
「?」
「今日はいっぱい飲もうな」
「…うん」
二人を囲む空気はほんわかとしていて、見ている側まで癒される。
「静雄さんたちって仲良いっすね」
『静雄は弟大好きだからな』
「幽くんも幽くんでシズちゃんのことずっと気にかけてるしねぇ」
「…!?」
突然の乱入者にみな一様に驚く。本来なら池袋にいるはずのないやつがいたからだ。
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