平和島静緒。
女にしては…いや人間を超越したその凄まじい怪力は、自販機を軽々と投げ飛ばし、車をまるでサッカーボールの様に蹴り飛ばす。
付いた異名は池袋最強、自動喧嘩人形。
と此処までは彼女の物騒な面だが、
本来はとても良識的で優しく、困ってる者は放っとけなくて我が身を省みずに助けるお人好しだ。
ただ極端に沸点が低いせいで、その良い面は一部の者にしか知られていない。
「っていうか、俺だけが知ってれば良いんだけどな〜。」
「いきなり何だよ、臨也。」
因みに、今話したその平和島静緒は〜俺の彼女なんですよ〜!v
そして今、俺のベッドの上で俺と一緒に寝てまぁす!v
…おっと、ついチャット口調で話しちゃったよ。
「ん?シズちゃんの良い所を、他の奴には見せたくないな〜って話v」
「っっばぁかっ!//」
顔を真っ赤にして睨み付けられても全然恐くないから!
可愛いだけだから!
「ねえシズちゃん…。」
「んっ…ちょっ、どこ触って…!//」
「本当はさ、シズちゃんを誰の目にも晒したくないんだよ、俺しか来ないこの部屋で、俺にだけ、笑ったり怒ったり泣いたりして欲しい。」
「?臨也…?」
訳がわからないという様に首を傾げるシズちゃん。
シズちゃんは真っ白ってくらい純真無垢で天然だから、
俺の真っ黒なこの気持ちは理解不能なのかもね。
「でもそんな愛し方シズちゃんは望まないってわかってるから、せめてさ、余り俺を不安にさせないでね?」
「不安って、何だよ?私何かしたか?」
少し不安げに俺を見つめるシズちゃんは、やっぱりわかってない。
俺はシズちゃんにそっと覆い被さる様に四つん這いになり、
シズちゃんの頬を撫でた。
「だってシズちゃん、俺には見せてくれない表情を、あの上司さんや弟君とかにはよく見せるじゃん。」
「?そ…かな?」
「そうだよ、だから…嫌になる。」
「っ!」
本当に嫌になるよ。
やっとの思いでシズちゃんの恋人って地位を手に入れても、
シズちゃんの全てを得られないなんて。
シズちゃんの全てを独占できないなんて。
「……おまえだって……だろ…。」
「…え?」
俺から目をそらして何かを呟くシズちゃん。
聞き取れなかったので聞き返すと、シズちゃんの綺麗な目の端にうっすらと涙が浮かんだ。
「だっだから、おまえだって…おまえだって九瑠璃と舞流や波江さんにしか見せない表情があるじゃねえかっ!!」
「!?」
えっ?ええっ!?
それってつまり、シズちゃんも俺と同じ気持ちだったって事!?
「シっシズちゃん…//」
「…私だって、不安なんだ…。」
「ん、シズちゃん…愛してるv」
「…うん、私も…。」
頬をピンク色に染めて俺の首に真っ白な腕を回すシズちゃん。
俺がキスをすると、シズちゃんは恥ずかしそうに笑った。
俺はそんなシズちゃんが大好きだ!
………………………
〜あとがき〜
裏にしようとして、
上手く裏に行けなかったです(汗)
すみませんでした!