その日、私はアイツと別れた。

初めて会った瞬間から嫌いだった。

アイツの笑い方、
アイツの話し方、
アイツの仕草、
アイツは全てにおいて私の神経を逆撫でする。

「ごめんシズちゃん、やっぱり俺、シズちゃんとは付き合えないや。」

間違いだったんだ。
一時でもあんな奴に心を許しただなんて、私は馬鹿だ。

「俺だったら、シズちゃんのそのバケモノみたいな力も受け止めてあげるよ?」

馬鹿だ、私は…!

………………………

「静緒、静緒ったら!」
「……へっ?新羅?」
「どうしたのさ?最近おかしいよ?君がプリンを前にしてぼ〜っとするなんて、天変地異の前ぶっいたたたたっ!!」

新羅の顔を掴みながら(所謂アイアンクロー)辺りを見回すと、何時の間にか新羅とセルティの家に来ていた様だ。
とりあえず新羅がうるさいから手を離す。

「………。」
『静緒、何か悩みがあるなら遠慮せず言ってくれないか?』
「セルティ…。」
『おまえがそんな顔をしてると、私も悲しい。』
「セルティ…ん、ありがとう…。」

恥ずかしいけど、私はもう限界だった。

私はセルティと新羅に全てを話した。
2人は何も言わず、私が話し終わるまでずっと傍で聞いてくれた。

『臨也の奴…!!』
「そうだったんだ、そんな事が…。」
「………。」
『許せない!臨也の所に行ってくる!』
「ちょっ、ちょっと待ってセルティ!」

私の話を聞いて憤慨し今にも飛び出しそうなセルティを、慌てて引き止める新羅。

『止めるな新羅!私は絶対に許せな「うん、セルティの気持ちはわかるよ?でも少し待って欲しいんだ。」…?』

新羅はセルティを再び座らせると、私を真剣な顔で見つめてきた。

「静緒、静緒が今そういう状態みたいに、臨也も最近おかしいんだ。」
「えっ…?」
「上の空っていうか、心此処に在らずっていうか…もしかしたら、臨也は君と別れた事を気にしてるのかも。」
「そんな…そんなはずねえっ!だってアイツが…!」

新羅の言葉にカッとなった。
だってそんなはず無いんだ。
アイツは最初から、私なんか好きじゃなかったんだ…。

でも、新羅はこういう時にデタラメを言う様な奴じゃない。

私は、どうしたら良いんだ?

………………………
〜あとがき〜

すみません。
初の♀作品がこんなですみません!
続きます、後1話で終わります。
ちなみに一応これ、来神時代設定です。←おい
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テーマ「人外ファンタジー」
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