◇3


※雛ちゃんの声は平仮名です。苦手な方は閲覧を控えて下さい。

「こーくん、あしたはぼくひとりでだいじょうぶ!」

「…えっ?」

「ぼく、ひとりでおるすばんするもん!」

って、こーくんにいってみたの。こーくん、すっごくびっくりしてる。なんでだろ?ぼく、できるよ。

「………なんで?」

おどろいたかおしたこーくんなんだけど、すぐにぼくにりゆうをきいたよ。うんと…、………どうしよう?なんていえばいいのかな?

んぅ…………。

「おるすばん、できるよ!」

もういっかい、いってみた。だって、なんていっていいか、わからなかったから。

…………だめ?

そんなきもちをこめて、じぃって、こーくんをみたんだ。

「///っ!」

そしたら、こーくんのおかお、まっかだね。どうしたのかな?おねつでも、でたのかな?

「ちゃ、ちゃんとお留守番できるの?」

って、そうきくから、

「できるよ!!」

よかった!わかってくれたんだ!と、おおきくうなづいた。

んふふ//やったぁ。ぼくね、ぼくね。しってるんだもん!

あさってはぁ、ばれんたいんっていうんだって。だいすきなひとにね、ちょこあげるひなんだよ。まいにち、てれびでいってるのみたよ。かわいくて、きれいで、おいしそうなちょこがいっぱいいっぱいうっているの。てれびのなかのみんな、いっぱいいっぱいちょこをたのしそうに、うれしそうにかってた。いいなー。ぼくも、あげたいなって、おもったんだよ。


だからね、ぼく、きめたの。だいすきなひと、みんなにぼくが、ひとりでないしょで、でぱーとってところにいって、かってくるよ。ぼく、できるよね?ひとりで、だいじょうぶだもん!

このあいだ、にいちゃにおかねもらったの。ぼくのすきなものを、かっていいよっていってくれた。だから、あしたはそのおかねでだいすきなみんなに、ちょこをかいにいくんだもん。
ぼく、ひとりでちょこかいにいけるもん!

これはね、こーくんにもみんなにもないしょなんだよ。


* * *

んと…。
はしばちゃんにもらった、ぼくのだいすきなおさかなさんのりゅっくとおさいふ。にいちゃにもらった、おかね、いれて。

よし、いくもん!

んふふ。どんなちょこをあげようかな?こーくんたち、よろこんでくれるかな?

ちょこやみんながよろこんでくれるかな?ってかんがえていたら、すぐにでぱーとについちゃった。

こーくんのおやすみに、いっしょにおかいものをする、ひとがいっばいのおみせ。

んぅ…ちょこはどこ?
ひとがいっぱい…
いつもいっしょのこーくんがいない…

ぼく、どこいけばいいかわかんないよ…

ぐす、ん

いつもぎゅうってぼくのてをにぎってくれる、あったかいてがない。しらないひとがいっぱいで、おっきなこえがうるさくて、ぼく、ふあんで、こわくて、なんだかぷるぷるふるえてきたよ…

こーくん。
こーくんが、いないよ…。

それまであった、わくわくして、たのしかったのが、いつのまにかなくなってふあんでいっぱいにかわってた。

「僕?どうしたん?」

うりゅん、て、なきそうになっていたら、いつのまにかめのまえに、やさしそうなおにいさんがいて、ぼくにゆっくりきれいなこえでそうきいてきた。

「……っ」

やさしそうなひと。だけど、ぼくのしらないひと。しらないひととしゃべっちゃだめ。ついてっちゃだめ。そういわれてた。どうしよう?って、あたまのなか、ぐるぐる。

「名前は?いえるん?」

なにもいえずいるぼく。それでもめのまえのひとは、にこってわらってくれながら、しゃべりつづけてくれた。しらないひと。だけど、こわいひとにはぜんぜんみえなくて、それより、なんだかみんなみたいにあんしんできるようなきがするから、

「…ひな」

そう、じぶんのなまえをおしえたら、

「ひなちゃんやな。いいなまえやん。一人でお使い?えらいな〜。そんなひなちゃんは、どこに行きたいんかな?」

ってきいてくれた。

そこであれ?っておもった。

なんか、くろちゃんややーくんとおんなじしゃべりかたなんだってこと。そうおもったら、またなんだかあんしんした。

「ちょこをね、かいたいの。…ありますか?」

って、ゆうきをだしていってみた。そしたらおにいさんは、またやさしくわらって、

「ふふ。ひなちゃんの、好きな人にあげるんかな?」

ってきかれ、ちょっとうれしくなって。

「そうなの!だいすきなひとたちにあげるの!」

っていった。おにいさんは、またわらってくれた。

「じゃあ、こっちやで。」

おにいさんは、たちあがり、くるりとむきをかえた。ぼくは、それにすぐにうごけなくて。そしたら、おにいさんはまたぼくのほうをむいて、そして、

「おいで」

って、てをさしだしてくれたから、ぼくはおもわずそのてをつかんだ。

こーくんのてでも、なりのてでも、にいちゃのてでも、しってるひとのどのてでもないしらないて。だけど、ほんわりあったかなあんしんするやさしいて、だったの。

そう。なんだか、しゃべりかたも、くうきも、くろちゃんみたいなひとで、はじめてなのに、あんしんするんだもん。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -