◇お正月のにゃんこの気持ち


こーくんのおうちにきて、どれだけたったのかな?

たのしいたのしい、こーくんといっしょのせいかつ。

らいねんもずっとずっといっしょにいれるのかな?

ぼくの…

これは、おねがいごとなの…。


* * *

「ぼく。きょうはずっと、おきてるの!」

あさから、あっちへこっちへいそがしそうにうごいてるこーくんだったけど、ぼくはどうしてもそれをつたえたくてこーくんにくっつきまわっていたの。そんなぼくに、いつもはやさしいこーくんが、

「ふーん…、」

ぼくのことば、なんだかテキトーにきいているみたい。

むぅ…

それがくやしくて、ちょっぴりかなしい。だから、

「ねーねー、こーくん!!」

しんけんにきいてほしいよ!なんできいてくれないの!きょうはぜんぜんこーくんはぼくをみてくれない。そんなこーくんにふりむいてほしくて、 ぼくはこーくんのふくをひっぱった。

「聞いてる。聞いてるよ。」

そういうこーくん。だけどかおはやっぱりこっちをむいてくれない。

ぷぅ

もう!こうなったら、

「ぼく、ぜったいねないもん!」

もういちど、こえたからかにぼくはせんげんするんだもん!



* * *

ねむい…

さっきから、こーくんがねよう、ねようっていってくる。

だから

「やっ!」

そのたんびに、ぼくはひっしにひていのことばをくちにして、ぜったいにねない!って、けついをかたくしてるんだ。

でも、そんなぼくのがんばりをよそに、こーくんはさっきから、ねようねようっていう。

こーくん、しつこい!
ぼくのいっしょーけんめいをわかってくれないのにすこしいらってきて、

「やぁっ!」

パシンッ

おもわず、こーくんをたたいちゃった。こまったようなこーくんのかお。

テレビはいつのまにかうたがっせんから、ぼくがだぁいすきなあいどるのでているばんぐみにかわっていて、ねむいめをこすりながら、ぼくはテレビをみているの。

いま、なんじなのかな?ほんとうは、すこしねむっちゃってたようにきおくがないの。ねむくてねむくて、なんどもねむりそうになるんだけど、そのたびに

「雛くん…」

ほら、こーくんのこえがまたきこえる。おきなきゃ。おきていなきゃってぼくはおもう。

「んぅ…もぉ…ぼく…ねない…モン…」

もうちょっと…なんだもん。

「雛くん…」

ほらまた、こーくんのこえがきこえる。

そうしたらテレビのなかのひとたちがよりさわぎだして、がめんにすうじがとびだした。

あっ!もうすこし!もうすこしだ!


”5”

”4”

”3”

”2”

”1”
















”HAPPY NEW YEAR 2015”

あたらしいとしだ!ねむいのがいっきにふっとんだ。

「ひ…」

こーくんがなにかをいおうとする。

だめ!こーくんはまだいっちゃ。ぼくがさきなんだよ!

「こーくん!あけましておめでとうございます!ことしもよろしくおねがいします。」

いえた!これがいいたかったの!いちばんにこーくんにおめでとうをいたかったんだもん!ねがいがかなってぼくがまんぞくしてわらっていたら、こーくんがぼくをぎゅうってしてくれた。

「あけましておめでとう!雛くん。俺の方こそ、今年もよろしくお願いします!」

そんなことばがぼくのみみにきこえてきたけど、

んふふ…

ぼく…もう、げんかいなんだぁ…。こーくんのうでのなかがぽかぽかあたたかくって、きもちよくって、すごくあんしんできて…

そうして、ほんとにほんとーにげんかいだったぼくは、いつのまにかねむってしまったの。

こーくん。

あしたもあさっても。ずっとずーっと。これからもこーくんのそばにいれたらいいな…。



fin



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