Christmasにゃんこ


――ジングルベール♪
ジングルベール♪

世間は、クリスマス一色。うちのかわいい雛くんも…

「ジッグルベー♪ジッグルベー♪」

テレビを見ながら、歌って踊って。少し舌っ足らずな所が可愛いです!

明日はいよいよクリスマス。実は、いつものメンバーで、雛くんをビックリさせようと、サプライズクリスマスパーティーを計画していたりするんです。

俺の役割は、明日雛くんと街中へ出て時間をつぶす事。その間に他の皆が、那津の店でクリスマスパーティーの準備をする。

で、そろそろ飾り付けたかな〜?ってとこへ雛くんを連れてって喜んでもらおうって計画です。
楽しみだなぁ!きっと雛くんはめちゃくちゃ喜んでくれるんだろうな。そう考えると、自然に顔がにやけてしまいます。





* * * *

クリスマス当日


今日の雛くんは、サンタの衣装に身を包み、とっても可愛いらしい!クリスマスに包まれた街中を雛くんと一緒に色んな場所へ行き、楽しんだ。そして、思う存分に楽しんでいたらいつの間にか時間になっていて、すでにニコニコ笑顔でご機嫌な雛くん。そんな雛くんをさらに喜ばせる為に、いよいよ皆が待つ那津の店へ連れて行った。

カラーン♪

パンパンパ‐‐ン♪

扉を開けた瞬間に待ってましたとばかりにクラッカーが鳴り響く!

ビックリしたのか、俺の服の裾をギュウッ!って握る雛くんだったけど、恐る恐るって感じで、俺の後ろに隠れそっと店内を覗いている。店内が目に入ったであろう次の瞬間、

「あっ…!」

戸惑いから驚きへ。見知った顔が揃う中、

「Merry Christmas雛!」

「雛ちゃんサンタだ!可愛いね☆」

「なに、ビックリしてんの。おいで、雛」

「雛くん、こっちこっち!」

成に羽柴ちゃん、那津に冬夜がそれぞれ声をかけてきた。

「ほら、いこっか。雛くん」

驚きはすでに喜びへ変わった雛くんの手を引いて皆な側まで連れて行った。キラキラした瞳で、飾りつけられた店内から雛くんはもう釘付けだ。全員がそんな雛くんの姿に、緩む頬が隠せない。

那津が作った美味しい料理を皆で食べながら、成がお得意のマジックを披露しさらに盛り上がる。楽しい時間はどんどん進み、そろそろプレゼントタイムかな?そんな後半戦に突入していた。

「雛。はい、プレゼント。」

トップバッターの成からは、ゲームを渡される。

「特別に雛仕様にしてますでからね。」

どの辺が雛くん仕様なのかしらないけれど、そう言われた雛くんは嬉しそうにお礼を言っていた。

「俺からはこれな。」

那津からは、オシャレな帽子を。

「俺はこれだよ〜」

そう言って、羽柴ちゃんが出した物は、どこで見つけたんだ、そんなもん…!そう突っ込みたい位の、でっかいでっかい…それは雛くんよりでかい、マグロのぬいぐるみだった。

「わぁ!」

俺達の呆れた視線とはウラハラに、雛くんの目は輝き、嬉しそうにマグロを抱きしめ頬擦りまでしていた。

うっ!か、可愛い//

「僕からは、これでーす!」

冬夜からは、お菓子の詰め合わせ。
そして最後は、俺の番。

「俺はね…、これだよ。」

そう言って渡したのは、釣りセット!雛くん、釣りがしたいしたいって言ってたから。羽柴ちゃんが前にプレゼントするって言っていたけど、ここは俺からあげたかったんだ。
お休みには、一緒に釣りに行こうね。そう思いながら。
雛くんは、瞳をウルウルさせながら跳びはねて喜んで。皆を見つめながら、

「ありがとう!ぼく、うれしい!」

そう言って、とんでもない位に可愛いらしい笑顔で笑いかけてくれた。

俺達は、この笑顔があればいいんだ。この笑顔が見たいから。だから、なんでもしてあげたくなる。

そして、いつまでもこの笑顔を守りたいんだ。


そう思ってニヤケていたら、

「あのね…、あのね」

モジモジとしながら雛くんはハニカむと、自分の持ってるバックの中から、雛くん愛用のスケッチブックを取り出した。

そして

「これは、はしばちゃん」

「これは、かず」

「これは、なっくん」

「これは、とーま」

一人一人に1枚づつ渡していく。そして、最後は俺。

「これは、こーくん」

そこには、とてもこんな小さな子が描いたとは思えないくらいの上手な上手な俺達の似顔絵が描かれていた。

「ぼく、こんなのしかあげられないけど、クリスマスのプレゼントなの!」

いつの間に、こんなの描いてくれてたんだろう。全然気付かなかった。それに、ちゃんと皆の分ある。すごく丁寧な描かれたその似顔絵。かなり時間がかかったと思う。その雛くんの気持ちがすごく嬉しい。

「ありがとう、雛くん!」

「雛は絵が上手ですね。ありがとうございます。」

「Thank you、雛。」

「雛ちゃ〜ん!嬉しい。大事にするからね!」

「僕の分まであるの!ありがとう〜」

皆から次々に褒められ、お礼を言われて雛くんも嬉しそうに照れている。

カランカラン〜

そんな所に、入口からドアが開く音がした。

「「MerryChristmas!」」

雛くんが来てから、イベントになると恒例のよう現れるようになった、黒羽くんと大和さんだ。

「ど、どうしたんですか?」

どこから聞きつけてくるのか…いや、羽柴ちゃんだろうけど。2人共、暇じゃないはずなんだけど?

「ん?パーティーやるって言うから、ひーくんの顔見に来てん」

そんな俺達の疑問もおかまいなし。あっけらかんと言い放たれる言葉。

「ほい、雛。これは、俺達からのプレゼントや。」

大和さんはそう言って、この前の撮影で撮った写真を可愛いく装飾してある物を雛くんに渡した。そして、

「ほな、俺らは帰るから。」

「えっ!もういっちゃうんですか?」

用事は済んだとばかりな大和さん。

「んふ、ひーくんの顔見に来ただけやし。大和の機嫌が悪くならんうちに、っちゅうこっちゃ。こっからは恋人の時間やねん。」

そう悪戯っぽい笑みを見せ、ウィンクする黒羽くん。今日ばかりはさすがに大和さんとこの後は2人っきりで過ごすらしい。

「これ、くろちゃんとやーくんに」

どうやら、雛くんは、黒羽くんや大和さんの似顔絵までも描いていたらしい。それを、2人に差し出していた。

「ん?何何?」

渡された物を受け取りマジマジとそれを見た黒羽くんと大和さんが固まった。

「プレゼント!」

嬉しそうにそう言った雛くん。

それを見て、ぷるぷると大和さんが震えたかと思うと次の瞬間。

「かわえ〜!」

叫ぶと、ガバッと勢いよく大和さんが雛くんを抱きしめた。

そんな大和さんをちらっと冷めた目で一瞬見た黒羽くんだけど、すぐににっこり柔らかな笑みを雛くんに向け、

「ひーくん、ありがとうな。ほんま、ひーくんはええこやな。」

そう言うと、ポンポンと雛くんの頭を撫でた。

「じゃ、皆、楽しんでな〜」

「あっ!紅葉、明日は遅れんと仕事来いや!今日、休みやってんから!」

「僕らは明日はオフやしぃ♪」

「え〜〜〜!ずるい」

「だから今日、休みやったんや」

じゃぁな!頑張れよ。そう言って、相変わらず嵐のように2人は帰っていった。雛くんからのプレゼントを嬉しそうに大事に持って。

俺達が、雛くんに仕掛けたサプライズだったけど、最終的には俺達が雛くんのサプライズにやられちゃった感じのクリスマスになりました。

雛くん。


Happy Merry Christmas!

fin



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