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ぐるぐると頭の中を、今、芽以ちゃんから聞いた言葉がリピートする。

妊娠した?芽以ちゃんが…。俺の子を…!マジですか?!嬉しい!嬉しい!すっごく嬉しい!!そこまで、頭の中を整理してからハタと気付いた。芽以ちゃんは何て言った?

”俺、廉くん以外としてない!サイテーだ廉くん。”

やばいやばい!

「芽以ちゃん!?違うからね!」

我に返って叫んだ時にはもう、愛しい恋人の姿はそこにはなかった。慌てて、携帯を取り出して芽依ちゃんの番号を呼び出しコールする。

…………

電源切れてるし…。ガックリ。いや、項垂れてる場合じゃない。早く、早く芽以ちゃんを見つけなきゃ。そして、誤解を解いてちゃんと伝えなきゃいけない事がある。俺は急いでサイフと車のキーを掴むと、芽以ちゃんを探しに家を飛び出した。

あぁ…芽以ちゃん、本当にごめんね!!不甲斐ない俺でごめん。突然すぎて、テンパっちゃっただけなんだ。ほんとは、すごく嬉しいんだよ!!どこに居るの?早く芽以ちゃんに会いたいです。会って抱きしめて、嬉しいんだって伝えたい。妊娠してくれてありがとうって伝えたいよ。

そして、そして、俺と結婚して下さいってちゃんとプロポーズするから、だから。

どこに居るの?一人で泣いていないかな?心配だよ。早く見つけてあげないと。早く君の元に行かないと。そして、こんなバカな俺を許して欲しい。

なんで、なんで俺はすぐに喜んであげれなかったんだろう…。きっと、すごく不安だった筈なのに。どうしてすぐに彼の言葉に反応できなかったんだろう…。

あぁ…やっぱり俺ってダメな奴。でもそんな事言ってる場合じゃない。今は早く芽以ちゃんを見つけなくちゃ。懺悔はその後だよ。

そうして、俺はここから必死に芽以ちゃんを探し回る事になる。


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