◇黒羽&大和の場合
「たっだいま〜〜♪」
今日はいい仕事したで〜と、満足顔で帰宅した僕を待ち受けていたのは、凍えるような冷気を纏う悪魔…。もとい、大和さん。
「…大和?どないしたん?」
僕が恐る恐る聞けば、
「黒羽。今日はいったい何してたん?」
顔は笑ってるが、目が笑ってない。
「え…、と」
言い淀む僕。
「なんや、可愛いい格好で出歩いていたって?」
ば、バレてる!?
「いや、ひーくんがな…」
「黒羽も可愛いかったって聞いたけど?」
……ちっ!誰やねん。大和にチクったんは!!紅葉か?!それとも…と、脳内で大和にチクりそうな奴をリストアップしていたら、
「ほら、俺には言ってくれんの?」
悪魔が何か言ってはります〜…。
「………何を?」
「今日はハロウィンなんやろ?」
うん、危険や。キラキラ笑顔がめっちゃ怖すぎる〜〜〜〜!
「ほら、黒羽!」
怖い、怖い!目が怖いねんって〜!有無を言わせない雰囲気に負けて仕方なしに、
「………トリック・オア・…トリート」
小さく言えば、
「ふふふ…お菓子は残念ながらないねんな。そやから…精一杯、黒羽くんには悪戯してもらわなな〜」
ニヤリと不敵に笑う悪魔がそこに。いや、悪魔なんて可愛いいもんやない!魔王や魔王!
「いーやーやー」
そんな僕の叫びは綺麗に無視され、暴れる僕を素早く大和は掬い上げると寝室へと運ばれた。
………この後?
そんなん、僕が大和に散々悪戯されたわ!!腰がいったいねん!ヤり殺されるかおもたわ!あ?!この企画?
そんなもん決まってるやろ!大失敗や!!
くっそー!チクった奴、覚えとれや〜!
もう、二度とやらん!
fin
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