◇2014.byにゃんこ
どうも、どうも!
黒羽です〜。
皆、今日は何の日か知っとる?
えぇぇ〜!知らんのかいな?
教えて欲しい?う〜ん、どうしよっかな?
そうやなぁ…
あんな………、
あ!?ひーくん!
「ひーくん、ひーくん。」
こっちおいで〜。って、猫呼ぶみたいにひーくんを自分の所に呼び寄せた。ひーくんは、何の疑いも無しに、にっこにこしながら嬉しそうに近寄る。あかんでひーくん。誰でもかんでも近寄ったら、食われんで〜。う〜ん、可愛いけど、お兄さんそんな素直なひーくんが心配やわ。んふふ。
さって、主役は揃ったで〜。
* * * *
今日は、僕にはあるやりたい事があんねん。やからそれを実行するべく、榮倉に頼んで、ひーくんを今日うちの店に連れて来てくれるように頼んだ。
そうそう。なんやったっけ?今日は何の日?
そ・れ・は、もうすぐわかると思うで〜。楽しみにしとってや。
「あれ?黒羽くん、今日は休みじゃなかったっけ?て、雛ちゃん!?」
どうしたの〜!?何で居るの!?って、相変わらずのテンションと、無駄にデカイ声で紅葉はひーくんを見つけると近寄ってきた。
「はしばちゃん!」
紅葉を見て、ひーくんも嬉しそうに笑いながら紅葉に抱きついた。仲ええなぁ〜。2人がきゃいきゃいやってるのを微笑ましい気持ちでしばらく見ていた。紅葉、精神年齢がひーくんと一緒やで。
「でもホント、どうしたの?雛ちゃん連れて今日は?」
しばらくひーくんと遊んでいた紅葉が思い出したように改めて聞いてきた。
「それは後でのお楽しみやねん。んふふ」
それだけ言って、ひーくんを抱き上げる。かっるいな〜。
「ひーくん、あっち行こか。奥かりるで〜。」
ひーくんを抱き上げながら、片手をヒラヒラさせて僕は、奥の部屋へと向かった。
* * * *
――数分後
「で〜きたっ!ひーくん可愛い〜で〜」
うん。仕上がりは上場。完璧やな。さっすが僕。ひーくんはされるがままのおとなしい借りてきた猫状態や。
「ひーくん。今から僕が言う言葉真似してくれる〜?」
そう言ったら、
「あい!」
ピシッと元気よく手を上げいいお返事が返ってきた。ほんま、ええこやわ〜。
ひとしきりの下準備を終えた僕は、実行に移す為お客でごった返す店内に出た。
「ほら、ひーくん。なんて言うか覚えてる〜?」
ひーくんに声をかけると、ひーくんはちょっと小首を傾げしばらく考えてからふにゃって笑った。そしてさっきまで一生懸命練習していた言葉を声高々に叫んだ。
「とりーくあーー、とりとー」
…………ん。ちょ、言えてへんし、伸ばしが多いけど可愛いからええやろ。今のひーくんは、自前の真っ白ふわふわな猫耳と尻尾を隠す事なくさらけ出し、ハロウィン仕様の可愛い洋服に身を包んで、仕上げに手にはジャック・オー・ランタン。
うんバッチリ!仕込みは上々や。んふふん。
各ヘアブースにはカゴが置かれ、中には沢山のお菓子達を詰めてある。
つまりは…
―トリック・オア・トリート(Trick or treat)
お菓子をくれなきゃ、いたずらするぞ
ひーくんと一緒に、各ブースのお客さん達を渡り歩くぞ〜。
「準備はええ〜?ひーくん!」
「あい!」
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