◇1

――…ぅ…、あー…、
昨日は、飲みすぎたな。最近、付き合い悪いって無理矢理つれていかれた会社の飲み会は断りきれなくて…。昨日、雛くんを預かっててくれたのは羽柴ちゃん。羽柴ちゃんは説明をしたら俺が帰るまで、雛くんを見ててくれるって言ってくれた。なんだかんだといつもいつも、羽柴くんには迷惑かけちゃうな。1度、しっかりお礼をしないといけないかもしれない。

で、昨日は結構、同僚達に飲まされて家に帰ったのは日付の変わる少し前。

『羽柴くん!ごめ〜ん』

そう言いながら、ヘラヘラ笑う俺に羽柴くんはシッ!と慌てて小走りにやってきて、

『もう!洸ちゃんうるさい!雛ちゃんが寝ているんだから…。静かにしてよ!』

と小声で怒られた。スイマセン…。少しシュンとして反省。そしたら羽柴ちゃんが、

『雛ちゃん少し風邪気味かも…。気をつけてあげてね。』

身支度を整えながらそう教えてくれると、

『じゃ明日仕事早いし俺、帰るね。』

そう言って、羽柴ちゃんは帰っていった。本当に感謝だなと思いつつ、そっと寝室に入った。そこに眠る雛くんの姿に酔いが一気に醒める気がした。確かに、ちょっと息が荒い気がするし顔も赤い。そっと額に手をやれば、んー…少し熱いかな?大丈夫かな?そんな事を思っていたら、俺の手が冷たくて気持ちがいいのか雛くんが擦り寄ってきた。あ〜、やっぱり少し熱いみたい。これはこれからもっと熱でちゃうな。とりあえず、冷やさなきゃ!冷えピタ冷えピタ!それを雛くんの額に貼ってあげた。

それが、昨夜の事で。次の朝目が覚めて、二日酔いにズキズキ痛む頭を押さえていたら。なんだかふと感じる違和感?なんだろう?そう思ってふといつの間にか抱きしめて眠っていたらしい腕の中にスッポリ収まっている雛くんを覗き込む。………?………!?あ、あれ!?ひ、ひ、ひ、雛くん?!雛くんだよね!

え〜〜〜〜!





 
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