B

あ、あわわわわ!!

すっかり、アメリカのフランクな空気に馴染んじゃってるよーーー!!これ!

き、危険だ!危険だ!危険だよーーー!

これ、誰にでもやるんじゃないだろうか………

ありえるーーー!!
だ、ダメだよ!雛くん!

「ダメだからね!!」

「???なにが?」

俺の突然の叫びに不思議そうな顔で雛くんが聞き返した。

「く、唇はダメです!!」

誰でも彼でも、やっちゃいそうで。

「なんで?」

不思議そうに言う、雛くんは解ってない。

「唇は好きな人とするの!!」

わぁわぁと、焦った声でそう言う俺。そうだよ。皆が、可愛い雛くんに勘違いしてしまう!それを、どうしても伝えたいのに、当の雛くんは、

「ふん。だってぼく、こーくんすきだもん。」

くふふ、と笑いながら、さらりとそんな事を言ってのけてしまった。ま、マジですか?
//…えっ?じゃ、いいのか?

って、一瞬思ってしまった俺だけど。
いやいやいやいや!!

「そうじゃなくて…」

うん。そうじゃないんですよ、雛くん。あーもう!と、どう説明しようかしどろもどろになる俺。

「じゃ、も、こーくんにはしない」

そしたら、あっさりと。そう言った。

「それは、ダメーー!!」

またもや叫ぶ俺。
て、俺何やってんだろ…。12歳の子供相手に。少し落ち込んでしまった。だけど、目の前の彼から、

「むぅ…」

しかめ面で、小さな唸り声。あっ…!拗ねた。八の字眉で口を尖らす雛くんがいた。

いや、だってさ…つまり…ね、

「LOVEとLIKEの違いが…ね…、」

なんとか必死で解ってもらおうと説明しようとするのを、

「あー、もぉいい!」

すっかりこのやり取りに飽きた雛くんにバッサリきられてしまいました。って思ってたら、

「こーくん、りょうりきんし」

って。…えっ?
そこ!?そこなの!あれ?キスとかのあのくだりは無視なんですか!

「な、なんで?」

うん、なんで今そこなの?そう聞けば、

「あぶないから」

がーーーん!

なんか、へこむ…。12歳の子供に、危ないって、料理禁止令を出された三十路男って…。
と、落ち込んでたら

「ぼく、りょうりとくいだから。これからはおいしいごはん、ぼくがつくるね」

にっこりと、またまた可愛いらしい笑顔で言われてしまった。
感激です!って、なんか嬉しくなってデレデレしてたら、

「だから、こーくんは、なにもしないでね」

「はい!」

って…、え?なんか上手く言いくるめられた感が否めませんが…

「はやくたべよ。こーくんのつくったごはん!」

そう言って、雛くんはテキパキ手早く用意を始めた。

なんだか、6年間の時間って凄い…。
あんなに可愛いく、いじらしかった雛くんは、とても可愛い、だけどすごく男前になっていました。

でも、変わらないのは、

「こーーくん、おいしいよ」

早く食べよ。
って、ふんわり笑う雛くん。

その笑顔と優しさはいつまでも変わらない。
どんな雛くんも、俺をドキドキさせて、そして癒してくれる。可愛いくてたまらない子猫。

それだけは6年経っても変わらないんだ。

俺と雛くんの新しい生活はこれから始まる。

(この、天然な子猫の行動に一喜一憂振り回されてるけどね…でもそれすらも愛しいんだ。)


fin.

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