A

A《ほのぼのにゃんこ兄弟》

「ルイはダメよ。中々触らせてくれないの。でも、機嫌がいいと自分で擦り寄ってくるよ」

「わぁ〜、ツンデレね」

「さすが、猫。」

「ナナかウミなら大丈夫よ。大人しく触らせてくれるから。」

そう言うと長女は茶トラのナナを抱き上げる。

「にゃー(えへへー♪)」

愛想のよいナナがにっこりと一鳴きする。

「可愛い〜w」

「私も!」

そう言って、一人が長女お墨付きのウミを抱き上げた。

「にゃっ!(う、うわっ!)」

急に持ち上げられて、ビビって硬直するウミ。

「た、たかい〜」

「にゃにゃにゃ〜、ウーちゃん、どんまい」

「がんばれよー」

「ちょ、あ、あなたたちねー!」

ビビりまくるウミをからかうナナとルイ。

「このコたちは?」

大人しそうだから触っても大丈夫よね?と、眠るスイとスイに寄り添うマロに触ろうと手が伸びる。とたんに、

「「フーッ!」」

マロとルイが威嚇した。

「スイにさわんな!」

「ねてるのにさわるとか…、さいてーですね!」

2匹の目が据わる。

「やだ!なんか睨まれてる」

「ダメよ。スイに不用意に触ろうとすると他のコが怒るのよ」

「え〜〜」

「スイが起きてる時はまだ大丈夫なんだけど…」

寝てる時は絶対にダメ!と、長女は力説した。

「へ〜…そうなんだ。残念」

「簡単に触らせてくれるのはこのコ達だけか」

「そうよ。スイ、マロ、ルイは家族でも触るのは難しいんだから」

慣れてる長女は笑う。

「あたりまえでしょ」

「きやすくさわるな、ばーか」

2匹が辛辣な言葉を吐きはじめた。

「あなたたちがそんなだからおれがぎせいになってるんだからね!」

そんな2匹を見て叫ぶのに、2匹はそれをまるっと無視。ウミはそれにまたうなだれて。

「みんな、もうすこしあいそよくしろーーっ♪にゃはは」

ナナがノンキにまた笑う。

「それはあなたにおまかせします」

「ま、がんばれ」

それを聞いたマロとルイは冷めた声をかけた。溜め息をつきながらそんな3匹の会話を聞くウミと、気にしないナナ。そんな4匹に気にする風でもなくマイペースに眠るスイ。

もう相手は終わりだとばかりに改めてスイに擦り寄るマロと、いつの間にかルイが逆隣に寄り添った。

不意にスイの目がゆっくり開く。

「にぁ〜(みんななかよくしろよ)」

そう一鳴きすると、またスイゆっくり目を閉じた。

「鳴いた〜」

「なんか癒されるね〜」

と、スイの鳴き声で空気が柔らかくなった。

「ま、スイがいうなら」

「しょうがないな」

「りょーかい、スイちゃん」

「だいじょうぶだよ。スイくん、おやすみ」

5匹は、

今日も仲良し。

fin


みんなスイが大好き。
スイもみんなが大好き。





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