▼ A
A《ほのぼのにゃんこ兄弟》
「ルイはダメよ。中々触らせてくれないの。でも、機嫌がいいと自分で擦り寄ってくるよ」
「わぁ〜、ツンデレね」
「さすが、猫。」
「ナナかウミなら大丈夫よ。大人しく触らせてくれるから。」
そう言うと長女は茶トラのナナを抱き上げる。
「にゃー(えへへー♪)」
愛想のよいナナがにっこりと一鳴きする。
「可愛い〜w」
「私も!」
そう言って、一人が長女お墨付きのウミを抱き上げた。
「にゃっ!(う、うわっ!)」
急に持ち上げられて、ビビって硬直するウミ。
「た、たかい〜」
「にゃにゃにゃ〜、ウーちゃん、どんまい」
「がんばれよー」
「ちょ、あ、あなたたちねー!」
ビビりまくるウミをからかうナナとルイ。
「このコたちは?」
大人しそうだから触っても大丈夫よね?と、眠るスイとスイに寄り添うマロに触ろうと手が伸びる。とたんに、
「「フーッ!」」
マロとルイが威嚇した。
「スイにさわんな!」
「ねてるのにさわるとか…、さいてーですね!」
2匹の目が据わる。
「やだ!なんか睨まれてる」
「ダメよ。スイに不用意に触ろうとすると他のコが怒るのよ」
「え〜〜」
「スイが起きてる時はまだ大丈夫なんだけど…」
寝てる時は絶対にダメ!と、長女は力説した。
「へ〜…そうなんだ。残念」
「簡単に触らせてくれるのはこのコ達だけか」
「そうよ。スイ、マロ、ルイは家族でも触るのは難しいんだから」
慣れてる長女は笑う。
「あたりまえでしょ」
「きやすくさわるな、ばーか」
2匹が辛辣な言葉を吐きはじめた。
「あなたたちがそんなだからおれがぎせいになってるんだからね!」
そんな2匹を見て叫ぶのに、2匹はそれをまるっと無視。ウミはそれにまたうなだれて。
「みんな、もうすこしあいそよくしろーーっ♪にゃはは」
ナナがノンキにまた笑う。
「それはあなたにおまかせします」
「ま、がんばれ」
それを聞いたマロとルイは冷めた声をかけた。溜め息をつきながらそんな3匹の会話を聞くウミと、気にしないナナ。そんな4匹に気にする風でもなくマイペースに眠るスイ。
もう相手は終わりだとばかりに改めてスイに擦り寄るマロと、いつの間にかルイが逆隣に寄り添った。
不意にスイの目がゆっくり開く。
「にぁ〜(みんななかよくしろよ)」
そう一鳴きすると、またスイゆっくり目を閉じた。
「鳴いた〜」
「なんか癒されるね〜」
と、スイの鳴き声で空気が柔らかくなった。
「ま、スイがいうなら」
「しょうがないな」
「りょーかい、スイちゃん」
「だいじょうぶだよ。スイくん、おやすみ」
5匹は、
今日も仲良し。
fin
みんなスイが大好き。
スイもみんなが大好き。
[ prev / next ]