◇6

それからしばらくしてメンバーも揃い、撮影もとどこおりなく終わった。俺はそのまま次の現場があったので夕姫と言葉を交わすことなく次の現場に向かった。

 

あれから…
彼とは、仕事でたまに会うくらいで、お互いに必要な事以外しゃべらなくなった。
 
今まであれだけくっついていた俺達のそんな行動にもちろんメンバーが気付かない訳ない。それでも皆、何も言わずそっとしておいてくれた。

聞かれても何も答えられないから、そんな皆な対応がありがたい。

あの時は、仕事が忙しくて疲れていて…。いつもならなんて事ない彼の行動がどうしても許せなかった。
 
距離を置こう。

そう言ったのは自分自身なのに、今それが俺には辛い。

『勝手…ですね…』

思わず溜息が出た。

彼は今、何を思ってるんだろう?
まだ、俺の事を好きでいてくれるんだろうか?
護とは…ホントに何でもない?
 
ずっとずっと彼の事が頭から離れずにいて、すぐにでも彼に会いたくなる衝動を必死に押さえ込んだ。




「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -