◇4

『昨日は、そのまま帰ったんですか?』
 
そう尋ねると、一瞬目が泳いだ…
 
『…ぅん…』

『電話…したんですけど』

『…気付かなくて…』

『すごく心配しました。』

『ごめんなさい…』
 
淡々と質問する俺に、恐る恐る答える彼。

『もう一度聞きます。昨日はそのまま帰ったんですね。』
 
コクン…頷く彼。

『じゃあ、なぜ今日は護と一緒だったんですか?俺は、あなたの家に行った。でもあなたは帰って来ては居なかった。それで、護と一緒に…となれば…昨日は、彼の家に泊まったんじゃないんですか?』
 
我ながら、意地が悪いと思う。
決定的に、言い訳ができないように追い詰めて、真実を話さざるを得ないように…
 
『どうなんですか?黙っていたらわかりませんよ。』
 
なぜ、こんなにも俺は冷静なんだろうと思う。
ホントは、なんで護の所に?何かあったんじゃないか?内心は怒りなのか、焦りなのか、不安なのか…
とても冷静ではいられないハズなのに…
そんな気持ちとはうらはらに、ヒドク冷静になっている自分がいる。



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