◇1
 
『しゅう…会いたい…』
 
深夜1時…
 
お互いに忙しくて、中々会える時間がなくて。
今日も深夜まで、ドラマの撮影が長引いて…
 
毎日がそんな調子で…
 
可愛い恋人に癒されたいという気持ちはあったけど…

実際は、疲れすぎてそれどころではなく。
向こうも、やっぱり忙しくて…
明日は、朝から仕事だっていぅのも知っている。
 
普段、弱音を吐く事のない彼が『会いたい』なんて我が儘……
言うのなんて、よっぽど思いつめてるんだ…

 
でも、そんな事にも俺はこの時気付けずに…

『明日も仕事でしょ?ゆっくり休まないとダメですよ。』
 
そう彼に告げた。
 

『やだ…しゅうに会いたい。会いたい…』

『…ふう…困らせないで…』
 
『今、しゅうの家の前にいるの…。』

はっ?!

『何…?』

慌てて、玄関に行き扉を開ける。
そこには、俯いて立っている恋人の姿があった。

『何やってるんですか』

彼の軽はずみな行動に少し腹が立った俺は、冷たく彼に言葉をぶつけた。

ビクッと一瞬怯えたような彼。

『あなた、明日は朝から仕事でしょ。俺だってさっき仕事が終わったばかりなんです。』

そう言うと
 
『ごめんなさい…』
 
ふう…
こんな所でいい争っても仕方ない…
 
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