「秋人先生」
「……なんか、慣れねーなぁ」
「うーん、やっぱり?おれも」
「学校では磯山の方がいいしな、やっぱ」
「家の中だけ秋人先生ってなったらおれが頭ぐちゃぐちゃになりそう」
「おまえそういうの苦手そうだしな」
「うーん。でも名前で呼びたいんだよね。先生の名前好きだし」
「あー……そうか」
「どうしようかなー。学校で先生だけって言うのも時と場合によるしな」
「あのな、春樹」
「はい?」
「家の中だったら別に、先生はいらねぇんだぞ」
「……」
「……」
「秋人、さん?」
「……おお」
「へへ、照れる」
「(襲うぞクソガキ)」
「なんかあれだ、新婚みたいだ」
「ぶっ!」
「うわ、先生大丈夫!?」
「ごほっ、げほっ」
「あーあ。ビールぶちまけちゃった」
「だ、誰のせいだ…」
「先生が噎せたせいじゃないの?」
「あのな!ああくそ、こっちこい」
「う、わ」
「春樹、今先生って呼んだだろ」
「え、う、うん」
「今日から先生って呼んだらペナルティな」
「は!?」
「今決めた、はいこの瞬間からペナルティ」
「えええ!?先生まじ横暴!ペナルティってなんっ」
「目、閉じろ」
「…っはぁ、…っん」
「(目、とろとろしてる)」
「せんせ」
「ペナルティだぞ」
「ん、せんせ、すき」
「あーあ……も、知らねぇからなこのクソガキ」



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