「そういえば」 「そういえば?」 「おまえってオレを探して今まで旅してきたんだよな?」 「うん」 「結構遠くに飛ばしたと思うんだが、どうやってここまで?」 「吟遊詩人で路銀稼ぎながら来たんだ」 「いや、うーん。なんていうか、」 「リュトのおかげで知識?知恵?も、沢山あったから、いろんな場所で先生もした。リュトが教えてくれたみたいに上手にできたか分からないけど、おれみたいな人間も多かったから役立てて嬉しかった」 「……そっか」 「でも、一番はリュトに会ってぶっ飛ばしたかった!」 「あのな、そこは愛の告白をしたかったとか言えねぇの」 「無理矢理引きはがされて素直に愛の言葉吐き出せるほど子どもじゃなくなったんだ」 「ふぅん」 「大体!おれはリュトの傍にいることが一番幸せなのに、勝手におれの幸せ決めてリュトは大馬鹿なんだよ!」 「へー」 「責任感じるとか、しなくていいのに。長い間離れててもずっと、おれは」 「はいはい、よーく、わかった」 「わかってねぇ!」 「いや、愛されてるのは充分理解した」 「……自信満々だし」 「追うとは思わなかったからな。ほんと、馬鹿だなぁ」 「……ずるい」 「ん?」 「……なんでもない」 「そうか。で、由良」 「?」 「ぶっ飛ばして、愛の告白して、一緒にいる魔王サマだけどおまえにオレ、一個だけ言い忘れたことがある」 「え?」 「結構大事かもなー」 「え?え?」 「由良」 「う、うん」 「おかえり」 「……」 「……」 「た、ただい、ま」 「おう」 「リュトは、やっぱばかだ!」 「お前にだけは言われたくねぇ」 |