04/28 嫌がらせ (原作以前)

空目くんは無表情です。
いっつもぶっすーとしていて、仏頂面でむっつりしています。
空目くんはどえすです。
空目くんはすけべ


「……おい、波崎」

えです。
大事なことなので二回書きます。
空目くんは助平で変態でどえすでぶっすりむっつり野郎で仏頂面の無表情な魔王さまです。

「……波崎……貴様……」

「わーごめんなさいー(棒読み」

「殴られたいか」

「いいえ(キッパリ」

放課後の文芸部部室にて、世直しの金髪碧眼の少女波崎杏樹は椅子に座り、机に向かって日記を書いていた。
部室に来ているのはまだ杏樹と空目だけだった。
向かい合わせに座っていて、しかしすることもなく暇を持て余していた空目が、なんとなしに杏樹の書き進める日記に目を留め――
それはなんとも失礼な内容の羅列だったので、さすがの空目でも怒る。

いつもの感情のない顔ではなく、わずかに整った眉が上がり、口調もきつく冷淡だ。
そんな空目の様子を気にも留めずに、杏樹は言った。

「だってほんとじゃん。空目って無表情だし」

「……。そういう問題ではない」

少しは思うところがあったのか、空目は一瞬沈黙したがすかさず応えた。
どこかその空目の応答が言い訳のように聞こえ、でも自分の同じかと思って、杏樹は苦笑にもとれる笑みを浮かべた。

「……何がおかしい?」

「べっつにー」

もうすぐ稜子や亜紀、武巳、俊也も来るだろう。
そうすれば皆は日記を見てどういう反応をしてみせるのか。
稜子や俊也はどうしたものかと苦笑い。
武巳はあははと笑いそうだ。亜紀は呆れたようにため息をつくかな?
不機嫌そうに問う空目に、杏樹はにこにこ顔で含みを持たせて答えたのだった。


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  2010/8/18(2013/06/30up)
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