#05 七夕
「杏樹杏樹!彦星が見えるよ!」
「そうだね織姫も!ネズミもほら、見てよ!」
「……はあ、あんたたち二人といると……(疲れる)」
(黒とも判別がつかない、深い藍色の晴れた夜空。
そこには幾億もの星が、瞬いていた。
頭上を横切るのは、細かい星々の集まりでできた天の川。
その中央には白鳥。そして
その両岸にそれぞれ一際明るく輝く星。
この世のものとは思えないほど、綺麗な星空だ。)
「織姫と彦星、会えたかなあ」
「もちろん会えたに決まってるだろ」
「一年に一回しか会えないって、でも悲しいよ」
「そうだなー」
「なんでそんなにどうでもよさげに応えるの、ネズミ」
「だって杏樹、星を人に例えるとか……無理やりにファンタジー作って何の意味があるんだよ」
「えっ、いや、……言われてみれば……、でも、そんなの考えたらお終いだよ」
「ネズミにはロマンが足りないんだ」
「はっ!紫苑、あんたには言われなくないな」
「なんでさ!」
(そんなふうに、三人は揃って夜の空を見上げていた。
荒廃したこの場所で。彼らは空に、何を見つけたのだろう。)
▼ そういえば、このNO.6って、秋・冬から春になるまでの話でしたっけ?
なんか、春までに寄生バチをなんとかしないと、的なことを紫苑が言ってたし……。そうなると、紫苑&ネズミ&杏樹が、七夕の季節に三人そろって居ることってないんじゃないかな、とか思ったり;;
相変わらず描写はまともにしてませんが、タイムリーな七夕の話でした!
2011/07/07(2011/07/28再up)
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