君と追憶

異界へ消えたという君を、探し出そうとは思わない。見つけ出そうとは思わない。
ただ、残された私たちはどうすればよかったのか。

あれから数年が経って、君と“神隠し”がいなくなって。
そして――なにもかも、終わりを告げた。

ばらばらのまま。
誰の道も、再び交えることがなく。
武巳も稜子も亜紀も、俊也も――……

会いたい。
会いたいけれど、君が自らそうして選んだ道に、口を出すなんてことはしない。
君をここに繋ぎとめることができなかった私には、結局なにもできないのだから。

君と過ごした日常は、きっと忘れることはない。

三年。君たちと生きた日々は、決して無駄ではなかったと。そう、思うから。


( 再び君と、 )


▼ ブログ版『septcouleur』にアップしていた、短編一発目。
  初っ端から暗いですが……;;
  ちなみにこの夢主は、女の子。短編連作『君だけの物語』の女主杏樹とは別人ですよ。
  最後に。名前変換なくてごめんなさい……。 2011/05/18

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