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プレスト(うた☆プリ)

01


「――あなたは――HAYATO……じゃない。もしかして、双子の……弟?」

私を、HAYATOではなく“一ノ瀬トキヤ”だと。初対面で言い当てたのは、この学園ではこの人物が初めてだった。
驚いた目で目の前の金のブロンドを見つめる。

「わ!もしかして当たった?!」

そう言って弾けるように笑う少女は、とても眩しかった。
肩まであるかないか、微妙な短さの綺麗な金髪。
月明かりに輝く純白のワンピースと同化した白い肌。
今の夜の空よりももっと明るい――言うなれば昼の、青く澄んだ空の色をした瞳。
すらりと伸びた足。桜色の唇。鼻梁も整っている。
しかし、一つ、違和感。
何を入れているのか、少し膨らんだ大きめのトートバッグ。

「なぜ……わかったのですか」

「なぜ、って……。わかる人にはわかるものなのよー」

にっこりと微笑む彼女を前に、益々私の脳内には解けない疑問が積もっていった。
どうしてこの少女は、私が“一ノ瀬トキヤ”だと、一度で見破ったのか。
『わかる人にはわかる』
そんな言葉だけで納得できるわけがない。
――そして、これほどまでに印象強い少女の正体。
入学式にいたならば、自分が気がつかないわけがなかった。

「――名前は、」

池に降り注ぐ月の明かりは反射し、きらきらと宝石のような輝きを見せる。
彼女はそう、そんな宝石だった。
月の下でも、太陽の下でも、自分を見失わずに輝く宝石のごとく道標。
なぜだか、そんな気がした。

「雨谷御影だよ」

再び微笑まれる。
その微笑は酷く心に焼きついた。
本当にそれはこの世のものなのか。と、勘違いしてしまいそうになるほど、『笑顔らしい笑顔』だった。

しかしこれらを吹っ飛ばしてしまうほどの衝撃が、私を襲う。

「…………そこでなぜ髪を結んでバッグからスラックスを出して履くんですか」

「えー?」

どういうことだ。
彼女は、女ではないのか。

「んん?もしかしておれのこと、女だと思ってる?」

目の前で繰り広げられている現状に言葉も出せず、こくこくと頷くと、

「あっはっは!残念でした!これでも男ですから☆」

え。
…………ということは、“彼女”は“彼女”ではなく、“彼”だったということなのか?
いやだがしかし先程までの“彼”――雨谷御影は、女そのものだったぞ……?

「そろそろ帰んなくちゃいけないんだよー、じゃーなートキヤ!」

何が何だかよくわからなくなって、頭がオーバーヒートしている内に、彼はこの場を去って行ってしまった。
しばらく私の脳は、この事実を理解することを拒んだが、なんとか呑み込ませる。
そうして数分後、私は今度は、“本物の少女”である七海春歌と出会う。


02


――おそらく翌日、Aクラスにて。

那月のエリザベス事件が一段落した休み時間。
ふと思い出したように、春歌が呟いた。

「あの……昨日から思ってたんですけど」

「ん?」とその場にいた音也、那月、友千香が反応する。
少し離れた席で読書をしていた真斗にも、そんな彼らの様子が伺えたが、先見の眼でもあるのか、真斗は聞こえていない振りをした。

「雨谷くんって……男の子……なんですよね……?」

春歌の問いに、友千香も「同じく!」と手を挙げる。
彼女ら二人の視線を受けて、しかし音也は難しげな顔で唸った。

「うんまあそうだなあ……」

お茶を濁すような返答に、春歌と友千香は揃って首を傾げる。

「音也くんじゃあ話になりませんね!では、僕が検証してきましょう!」

するとそんな三人を見てか、那月がそれはもうキラキラと、ある意味で輝いた笑顔を浮かべて言葉を続けた。

「あのですね……御影くんは、“貧乳”ですから、女か男かわからないだけです」

大真面目にそう言うものだから、(地獄耳の)御影が「どうああああれが“貧乳”だっってえええええ?!!那月ィィイイ!!」と怒鳴りださなければ、春歌たちは「うんうん」と頷いてしまっていただろう。
途中からわいわい騒ぎだした音也たちの所為で気が散ったらしく、かといってすることもないのでなんとなく彼らの方に目を向けていた真斗は、
――ああやっぱりか。
と大きくため息をついていた。

「あはははは!そんなに怒らないで下さいよー!」

この時の那月の笑顔は、実に『イイ』笑顔だったらしい(※春歌・音也・友千香談)。

「……という感じで、春歌さん、“貧乳”という単語に反応するあたり、御影くんは“彼”ではなく“彼女”だということです」

また、この瞬間も上と同様である。

「…は、はい……わかりました……、あ、ありがとうございます」

どういう表情で返せばよいのかわからなかった春歌を、責めようというものはいまい。





そんなこんなで、早乙女学園での一年間が幕を開ける。


 presto-プレスト- 


▼ なんだこのぐだぐだっぷり……。01と02のシーンは書きたかったので書いたという、それだけのものが5000hitフリー夢小説というのは、いささかどうかとは思いますが……;;それにしても夢主のギャップ……(泣)本当に文才なくて申し訳ありません!!
  うたプリはアニメだけの知識なので、色々とキャラの二人称とか話し方が把握できていない面もあるので、その部分も重ねて申し訳ありません……!
  これは2011/08/20までのフリー夢小説です!(ですが自作発言等は禁止ですよ)  2011/07/19
  PS:フリー期間は終了しました(2011/08/21)
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