あと6日/01 count down
――「あっ!もうすぐ年が明けるわよ!」
――「……そうだな」
1971年。
それは、イギリスのスピナーズ・エンド。雪の降る夜。
まだその幼馴染み二人が、引き裂かれていないころのことだった。
*
――「おーい!パッドフット!」
――「なんだプロングズ!」
――「……あ、」
――「年が、明けたね……」
これもまた、イギリス・ゴドリックの谷。
今この時は、誰ひとりとしてお互いに歩む道が違(たが)えることなど思いつきもしなかった。
*
――「今年もよろしく……っと」
ホグワーツに、一人残る金髪碧眼の少女。
彼女は自室で、机に向かい手紙を書き終わりペンを置いた。
んー、と背伸びをした少女の机上には、何通もの手紙が無造作に並べられている。
それを明々と照らすのは、あたたかな橙を帯びたランタンの灯りだった。
窓の外を少女は見やる。
窓ガラスが白く曇り、屋外の様子は伺えないが、この凍えるような寒さは雪によるものだと気づき、嬉しいようなそうではないような、そんな微妙な顔をした。
そして、膝にかけてあった薄い毛布をローブのように羽織り、椅子から立ちあがった。
今年の終わりを知らせる、教会の鐘がどこからか鳴り響く。
それは同時に、新たな年の――新たな物語の始まりだった。
▼ えーっと、実に解りにくいと思われるのですが……、冒頭の二人の会話は、上から順にリリーとセブルスです。そして、その次の四人組の会話も同じく上からジェームズ、シリウス、リーマス、ピーターです。
今回、ローリングさんが6日後(H23/6/17現在)にハリポタについての重大発表をされるということで、カウントダウン小説をアップしました。
カウントダウン一つ目は、『カウントダウンといえば』ということで、『年明けへの……』ということにしました。
オリキャラ二人が登場していないのは仕様です(汗)。 2011/06/17
←
戻る
[ 2/8 ][*prev] [next#]