「来ましたね・・・」
背後にいる誰かの気配を感じ取ったラケルは振り向くことなく言葉を発する。
「遅くなってすまない」
表情を変えず、淡々と返す姿は様になっていた。
「いいえ、間に合いましたわ。ジュリウス・・・新たな神を喰らう者の誕生をこの目で見届けられますよ」
忙しなくキーボードの上に指を走らせ、モニターに目をやっているため表情を伺うことは出来ない。
だが、声色で彼女がこの時を待ちわびていたことは分かった。
「それでは始めましょうか・・・」
キーボードを打ち終えるとモニター越しにいるイヴに話し掛ける。
「気を楽になさい。貴方はすでに選ばれて、ここにいるのです・・・・・・」
「今から貴方には、対アラガミ討伐部隊"ゴッドイーター"の適合試験を受けて頂きます」
「試験と言っても、不安に思う必要はありませんよ」
「貴方はそう・・・・・・"荒ぶる神"に選ばれし者ですから・・・・・・フフッ」
「貴方に祝福があらん事を・・・・・・」
その優しい声に何故かジュリウスはゾクッと身震いをした。
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