コツ・・・コツ・・・
『ここか・・・』
ゴクリと唾を飲み込んだイヴが見つめる先にはポツンと中央に置かれた機械があった。
〔イヴ、聞こえますか?〕
突然部屋全体に響き渡る聞き慣れた声に、驚きながらも応答する。
『この声は・・・、ラケル先生!?』
〔ええ、そうですよ。さぁ、そこの台に横になって〕
ラケルに指示された通り、黒く決して寝心地が良さそうではない台に仰向けになると右隣に設置された神機の柄の部分に手を添えた。
〔これから少し機械の調整を行うから、そのままにしていて下さいね〕
『はっはい!』
ドクン、ドクン
適合試験が始まるまで鼓動が落ち着くことはなかった。
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