皆さん、こんにちは!
私、first name・family nameはフェンリル極東支部である方の助手として働いています。

その方の名前は・・・
ソーマ・シックザール・・・博士です!
呼び捨てなんて恐れ多くて出来ません!!

博士は完璧だと思います。
いえ、贔屓とかではなく真剣に!

クールとは正にこの人の事だとつくづく感じるんです。
隙を見せないところや滅多に表情を変えないところ、私に微笑んでくれた時は嬉しくて、でも心臓がバクバク煩くて聞こえてしまうかと思うと恥ずかしくて・・・あぁっ今でも思い出すだけで真っ赤に・・・!
あっ、話がずれちゃいましたね。
立ち振舞いなんてカッコいいと思いませんか?
前は"死神"なんて揶揄されていたそうですが、今は女の子だけでなく男の子にとっても憧れの存在となっています!
何処からともなく伝わってくる色気にはいつも翻弄されっぱなしですが・・・

私の腕で抱き締められている白い毛並みの子犬のシオちゃんはワンッと答えるだけで、でも何となくなんですけど相づちを打ってくれているみたいで

「おいfamily name、何してんだ?」

『ひゃあっ!?』

後ろからの不意打ちにびっくりしてしまって、シオちゃんを抱き締めていた手を離してしまいました・・・。
しかし私の心配をよそにシオちゃんは見事に着地しました。
ソファーの上だった事もあったので良かった!

振り向くとそこには、ついさっきまで話題にしていた"あの人"!
私の手から落ちてしまったシオちゃんが恨めしそうに唸り声をあげていました。
が、彼は対照的に勝ち誇ったようにシオちゃんを見下ろして、ふんっと鼻で笑いました。

『はっ・・・博士、いきなり声をかけないでくださいよぉ・・・』

「俺はさっきから声をかけていたんだけどな・・・ほら資料もらってきたぞ」

『あっ、ありがとうございます。さっきとは一体どれくらい前から・・・?』

恐る恐る尋ねると博士は新種のアラガミが載っている資料を私の前に差し出して

「"博士は完璧だと思います。"と言ったところからだ。ここは俺の研究室だからな」

あわわわっ・・・
思いっきり聞かれていました。

『博士のこと、誉めてたんですよ!
そうですよね、シオちゃん』

ワフッと今度は嬉しそうに鳴きました。

「それから・・・いい加減博士は止めろって言ってるだろうが。榊のおっさんみてぇで気に食わねぇし、そんな柄じゃねぇし、それに・・・」

それに・・・?

「お前は俺の恋人だろ?」

そう、でした・・・!正直今でも博士が私の恋人だなんて夢でも見ているかのようです。
頬をつねっても、痛い!夢じゃない・・・!

って博士!そんなに顔を近付けて・・・私の眼鏡がああっ
いつの間にか壁と背中合わせに、それにまだ心の準備が・・・出来てな・・・

「止めた」

『え!?』

「名前呼ぶまでキスはお預けな」

外された眼鏡を弄びながらイタズラっぽく笑みを浮かべる博士・・・なんという策士!

「ほら、呼べよ」

『はか、うぅ・・・ソー、マ』

「フッ、上出来だ」

チュッ

頑なに閉じられた私の唇にそっ、ソーマの唇が・・・
離されたと同時にソーマの胸へとダイブしました。
きっと完熟したトマトみたいに真っ赤っかなんだろうなぁ・・・今の私。

でもやられっぱなしの私じゃあありません、今度は私から貴方に言いますからねっ!



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