帰ろう、私の家へ


「・・・・ありがとうございました。」
やっとついた見慣れた景色。
「ん、ここでいいんだな。」
見慣れた景色になぜだか新鮮味を感じる。
「じゃ、このへんで。」
「・・・もう迷うなよー。」
「うっ・・・う、うん。
・・・・・多分。」
「多分ってなんだ。多分って。」
山口くんは私の言葉に笑いながら元来た道を去って行った。
「・・・。」
さっきまで私の目の前にずっとあった背中を見送って、自分の家の方へと向きなおす。
「・・・さっ、帰りますかぁ。」
今日一日、充実してたなぁなんて思いながら、私は自分の家へと向かった。
帰ったら、今日の冒険の話を誰かに話そう。
そう、今日私は冒険をしたのだ。
もう疲れているはずなのに、私の足取りは、今日一番軽かった。

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