オープンしたての新しいお店


秋の空気は綺麗、だと思う。
どの季節に散歩しても、やっぱり秋にはかなわない。
暑くも寒くもなく、気温もちょうどいい。
「わっ・・・。」
いつもの散歩道に大きなトラックが停まっていた。
いままでただの空き店舗だった場所に、荷物が並んでいる。
「・・・きっさ、た・・ん?だ?」
店の端に見つけた看板。
口に出してみるが、読み方がいまいちわからない。
「"たいじゅ"、だよ。」
「へっ!?」
後ろから聞こえた声に驚く。
人に話し掛けられるなんて思ってもいなかった。
「来週オープン予定なんだ。
よかったら、来てね。」
「は、はい・・・。」
私に笑顔で言葉をかけてすぐ、その人は荷物の中へ消えていった。
笑顔が素敵な人だなあ。
なんて思いながら、足を先へと進める。
なんだかいつも以上に気分がいい。



来週になったら、一番にあの店に行くんだ。
そして笑顔であの人に言葉をかけよう。
飲み物は何にしようか。



今から高鳴る自分の胸をおさえながら、私は歩く。
散歩はまだ、始まったばかりだ。

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