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千歌と真白が廃校に着くと、入口に下級兵士だと思われる男が待っていてその人達に案内され、廃校内とは思えない部屋まで連れて来られた。
その部屋は異様だった。
部屋を見回せば機械音が部屋に鳴りカタカタとキーボードを叩く音が耳に入る。
その部屋にある大きな画面には、島の全体地図と配置されている兵士達の位置が記されていた。
そして今いる廃校には赤い点が2つ…
これは私たちの首輪の探知器の数…か…。
千歌は慎重に周りを見た。
そして思った…
なぜこの部屋に最新と思われるマッサージ機が設置されているのかと…
(話それたけどちゃんと地図と脱出経路覚えておかなきゃ…)
絶対に真白と生き残るんだから…
あの人達に会うまでこんな所で死んでられない…
千歌は部屋の真ん中のマッサージ機に腰掛け、堂々と紅茶(ダージリン)を飲んでいる誇鷺を睨みつけた。
「うふふ、ようこそ千歌ちゃんに真白くん?」
「………」
「……、お呼びですか誇鷺先生?」
千歌は厭味たっぷりに誇鷺に言った。
そして誇鷺をいつでも殺せるようにそしてもしも殺されそうになった時のためにどこに隠してあるか分からない刀を何時でも抜刀出来るように握った。
本当はこんなやつを私の三日月宗近で斬るなんて嫌だけど…
三日月宗近が汚れるし…
でも生き残る為だし…
「そんなに警戒しなくていいのよぉ?まぁまぁ、そこに座って座って。今回はね事情が変わって、2人共優勝者にしろって言われたのよぉ〜」
「っ!!?」
「ルールが違いますよっ!?」
「そうねぇ♪」
まさか…
今回だけなんておかしい…
わからない…
でも─…
いや、だめだ
こんな良い話は必ず裏がある…
コイツを信じては…
もしかして助けてくれるかも?
いや、そんなことはない…
わからない
分からない、それなら…
利用してやればいい
千歌が色々な事を頭で考えている様子を見ながら誇鷺はニヤニヤと笑っていた。
本当に殺したくなってきた…
そんな私を見て真白も誇鷺に殺気を向けていた。
「そうねぇ、今回のゲームは特別なのよぉ。本当は千歌ちゃんに優勝者として発表したいんだけど、色々あって真白くんを今回の優勝者とし世界に発表することになりましたぁ♪2回優勝おめでとぉ!!そして千歌ちゃんは軍へ輸送されまぁす!!」
「「軍!!?」」
軍と聞いて千歌は立ち上がり、文句を言った。
「何故私が軍に入らなきゃいけないんですか!!?」
「大丈夫よぉ?別に殺したりしないし、真白くんともすぐ会えるからぁ」
「っっ!!!」
どういうこと?
軍に入れなんて…
でも良く考えれば軍は政府のもの、政府は国の情報の源…
あの人達を見つけられる
そして、この腐った国を壊すことが出来る
もうこんな事をしてはダメだから…
きゅっと唇を噛み決意を固めた。
「……分かった…私は軍に入ります。そのかわり真白と一緒の隊にしてください」
「千歌!!?」
「うふふ、いい子ね?大丈夫よぉ、優勝者はみんな同じ部署に送られるからぁ♪」
ドガッ
誇鷺はそう言うと千歌の鳩尾を殴り気絶させた。
「さぁて、真白くんには優勝者としてTVに出てもらいまぁすv」
「分かっタ─…」
「貴方たちは賢くて茨藍スッゴく嬉しい♪」
うふふと笑う誇鷺に真白は苛立ちを覚えたが千歌が無事であるため誇鷺を殺そとはしなかった。
そしてメディアで真白は優勝者として発表された。
優勝者:御堂真白
真白の名はBRを2回も優勝したことにより多くの人達に広まった。
だがもう一人の優勝者、呑童子千歌のことを知る者はいない─…
GAME OVER
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