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「ちっ!!」
出席番号5番大塚大輝はドカッと辺りの木を武器である釘バットで殴っていた。
彼は生き残りの中の一人。
早く優勝してこんなゲームを終えたかったのだが、他の生き残りに未だ会えず時間だけが経過して行くためいらいらしていたのだ。
早く殺さないと…
早く殺さないと…
俺が殺される…
大塚は恐怖にかられた。
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その頃、出席番号6番加藤健二も大塚と同じ様に森の中を恐怖と不安を胸に歩き回っていた。
「誰かいねぇのかよっ!!さっさと終わらしてぇのに…」
なんで誰にもあわねぇんだとイライラを募らせていた。
その時だった…
ガサッ
少し離れた所から物音がした。
「大輝…」
「健二…」
大塚は釘バットを後ろに隠しゆっくり加藤に近付いていった。
「お前も生きてたのか…」
「…………あぁ…お前もか…」
二人は黙り込む。
だが、二人は相手の動きを探り今か今かと殺す機会を伺っていた。
ひゅーっと風が吹いた刹那二人は武器を片手に動いた。
大塚は釘バット、加藤は長刀。
ヒュンッ
ドカッ
どちらが先に動いたのか分からない位の早さだった。
いや、両方とも同じタイミングで動いたのかも知れない。
その一瞬で決着が着いたのだった。
結果は相打ち…
大塚は加藤の首を釘バットで飛ばし、加藤は大塚の胴体を胸の当たりで切断したのだった。
─────…
その頃、千歌は真白と待ち合わせをしていた場所へと向かっていた。
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