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千歌は前から2番目の席、よく先生が乗る席に座った。
分かりきっていた事だが私の隣には誰も座らなかった。
そんなに私は異質なのだろうか…
だが誰も座らないのならばこちらは気が楽だ
あんな低脳な人達に付き合わなくて済んだのだから。
そんなことを考えていたらあることに気づいた
さっきまで耳障りと言っていいほどに騒いでいた声が聞こえてこないのだ。
声が小さくなっただけならば、数人が仮眠に入ったのではないかと考えられる。
だが、物音ひとつしないのだ…
たとえば睡眠薬をかがされて全員寝てしまったかのように―…
少し不安になり千歌が後ろを振り向くと全員がシートに体を預けて眠っていた。
本当に睡眠薬でもかがされたように…
「やばいっ」
千歌は何かに気づき口と鼻を押さえようとしたが少し遅く睡魔が襲ってきた。
このときやっと自分が置かされている状況を理解した。
どうして気づかなかったのだろう…
気づくことが出来るポイントはいくつもあったではないか、“時期外れの社会見学”、“私たちのクラスのみの行動”これらを総合すると考えられることは一つだけだった―…
「バトル…ロワ…イ…アル…」
そして千歌の意識は絶たれた―――――――…。
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