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私は私の目を疑いました。
だってそこにはもう存在していないはず××様がいらっしゃったからです。
私たちを置いて逝かれたあの方
常に私たちの憧れであったあの方
私たちのために消えてしまったあの方
私の名前を褒めてくださったあの方
思い出すときりがありません。
嬉しいこと、哀しいこと、色々なことをあの方と一緒に感じてきました。
あの方は私の全てだったのです。
だからあの方が帰って来たとき凄く喜びました。
自分の目を疑いました。
何回も何回も、
でも、帰ってきたのはあの方ではありませんでした。
私はまた哀しみました。
私の態度はきっと紫苑様に失礼だったと思います。
しかし、そんな私に紫苑様は優しく微笑んでくれました。
姿や雰囲気はあの方と一緒で暖かかったです。
そしてあの方と同じ言葉を下さったのです。
『若草なんて良い名前だねっ!!だって貴女にあってるもん♪優しくて暖かい綺麗な若草色…大草原みたいにすべてを包み込んでくれる…』
「若草って名前とても素敵。貴女にあっているわ…そうね優しくそして暖かい若草色、大草原のように私たちを包み込んでくれる…そんな感じだわ…」
私は確信し歓喜しました。
きっと紫苑様はあの方の生まれ変わりであると、例えそうでなくとも一生この方について行くと。
今度こそこの命に変えても護り抜くと…
…私はそう誓ったのです。
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