久しぶり、後輩



遂に、だ。



蜜柑たちがレオちゃんがこの学園に来ると知ったらしい。
え、なんで私は既に知っていたかって!!?
だって私は、絶対王制《ワンダーランド》の一員(あ、あんまり公にしてないけど)だったしあのチーくんにも負けないほどの技術持ってたしね!!
それにこれでも、絶対王制《ワンダーランド》の皆からは敬意を評してアリスって呼ばれてたし♪(違う呼び方の人もいたけど)まぁ、もともとあの頃の一人称がアリスだったからもあるんだけど…クイーンの友に負けず劣らずだったんだねっ!!あ、言葉遣いが…
まぁこの話はまた今度するわっ。
そろそろ外野が五月蝿いし…
え、外野がだれかって?そんなの簡単に分かるわよ?だって…






「どひゃ―――!!」







うん、すんごい奇声…
なんか、やになって来ちゃった…

でも、私も無理やり話に引っ張り出されてしまう。
そしてふと気付いた




「―――あれ棗は?サボり?」




周囲を見渡してポツリと呟く。
最近は朝から見かけることが多かった棗が今日は姿を見せてない、と思う。
そんなとき目に入ったのはルーちゃんの浮かない表情。
蜜柑もそれに気付いたのかそっとルーちゃんに近づいて喋りかける。



「どしたの?ルカぴょん」

「ぅわ!!」















「棗が入院っ?!」


「過労による体調不良って言ってたけど」


「棗さんここんとこずっと眠れなかったみたいでイライラしてたし、ドッジボールの後辺りから様子変だったからな―…」


「…………」







持ち上げ君の言葉い更に口を閉ざして俯いてしまったルーちゃん。

「ルーちゃんにそんな顔似合わないわよ?ほらもっと笑いなさい、棗もきっとその方が嬉しいと思うわ…」



それを聞いてルカは少し目を丸くした後、表情を柔らかくしてあぁ。と呟いた。


古宵はにっこりと微笑んだ。




そんな2人の会話を聞いて、スミレちゃんは痺れを切らしたように叫ぶ。うん、すっごいKYPだね?あ、KYP(空気読めないパーマ)だから←





「ねえルカ君こんな人達に構ってないでそろそろいきましょ」


「行くってどこに?」




蜜柑が小首を傾げつつイラつきながらスミレちゃんに尋ねる。
するとパ…スミレちゃんは自慢げにふんぞり返って言った。



「病院よ」




「「「え」」」


「実は私とルカ君の2人、棗君の友人代表として特別に病院へお見舞いに行くこと、許可されてるの」





それを聞き蜜柑たちは怒りに震えた。




「「「「「(何ぃ――――っっ?!)」」」」」





その最中、楽しげに笑うパー…スミレちゃんを見た。
前方にはルカがいつの間にやら陽ちゃんを抱っこしている。
そしてこちらへ近づいてきて言った。







「…あのさ、燈月。一緒に病院行ってくれないかな?」










そんなこんなで病院へ行くことになりました☆
え、キャラじゃないって?
ぅふふ、因みに今の私だって素じゃないわよ?



蛍に『レオを見かけたら撮ってね』とカメラを渡されたが…うん、面倒だわ。ごめんね?
というより、みんな何故お見舞いにそんなに行きたがるのだろうと思ったが目的は棗じゃなくてレオちゃんかと分かり納得がいった。案外みんな失礼よね〜(笑)









――――――――




「えっと…棗の部屋は東棟の301号室だから――」


「あぁ、確かこっちだと思うわよ?」


「なんで貴女そんなに病院内知り尽くしてる?」


先程から道案内をしていた私だが、スムーズ過ぎて逆にそれがスミレちゃんの目には不審に映ったらしい。
まぁ、一理あるわね〜



「あぁ、さっき会った医者に聞いたのよ?」



嘘八百も良いところねっ♪



あ、因みに聞いたなんて嘘だし…
まぁ学生時代にちょっと、ね









病室に着けば、スミレちゃんは置いてあった椅子に座り、ルーちゃんは棗を心配そうに見つめた。
私はというと、陽ちゃんを抱っこしながら棗の様子を伺う。
だるそうに起き上がり、心配すんな、というがその額には汗が浮かんでいた。




「あらあら、無茶は禁物よぅ。だから寝てなさい」



呆れながらそう告げれば、棗は私を睨む。



「……なんでお前がいんだよ」


「ぅふふ、だってルーちゃんに誘われたんだもの♪」




ねールーちゃん、と笑顔のオプションを付けルーちゃんに言うとルーちゃんは苦笑いをし棗の眉間がまた深くなった。







―――――――――


「…じゃぁまた来るから」


「棗くんっ!無理しないでね。また来るからっ」






しばらく病状について話した後、スミレちゃんとルーちゃんが名残惜しげに病室から出て行く。
それ見送ってから私は口を開こうかとしたとき…





「お前は帰んねぇのかよ」



少々迷惑そうに棗は言った。



「…まぁね、ちょっと用事が出来ちゃってね」


「用事が出来た?」



にっこりと微笑を絶やさずに言うと、棗はこれ以上聞いても私が話さないことが分かったのか不満げにボスッと音を立ててベットに倒れこんだ。




「まぁ、すぐ分かるわよ?」


そう、私の用事っていうのはこの部屋に来る人なんだから…
厄介って言えば厄介なんだけど、やっぱり話はつけておくべきだもの。
私はあの子を…



そんなことを考えていたらガラッと病室のドアが開いた




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