掃除は嫌いよ



自己紹介してから随分と時間がたち、もうお昼休みだ
これから蜜柑はゲロ掃除に行くらしい
可哀想に、というよりあんなに真面目にやっちゃって…私なら絶対やらないわ!!と思いながら蜜柑のゲロ掃除を見学する




「蜜柑ー!!裕くんー!!頑張ってねー」


と叫ぶと


「そんなとこにおらんと宵も手伝ってぇな!!」


と聞こえてきたが傍観しようと決め込む




「おーやってるやってる」

「うえーゲロ掃除かよー」




遠くからみていた同じクラスの男子が蜜柑の姿を見て言う


奥のほうには棗とルーちゃんの姿もあった




「棗さんがパートナーさせられるくらいだからどんな凄い奴かと思ったけど」

「あいつのアリスって本当に『星なし』なんかなー」

「さぁ…ありゃ神野の前で悪目立ちしたってのもあるからなー」



やっぱり蜜柑はじんじんに星なしって言われたのね、やっぱり納得いかないわ
あ、蜜柑の掃除が終わったみたい
せっかくルーちゃんとお話しようと思ったのに残念だわ



古宵は掃除が終わった蜜柑たちの元へ行く

蜜柑たちのところについたとき、蜜柑はナルちゃんに手紙を手していた



「あれ、宵ちゃん」



裕くんが私の姿を見つけろと近寄ってきた



「お疲れ様♪」

「手伝ってくれればよかったやん!!」



蜜柑から酷いという目で見られたが誰が好んでゲロ掃除なんてやるか!!と思った。絶対遅刻はしないわ、遅刻しそうになったらその日はサボると決めた古宵だった



私が人知れず固い誓いを立てているとナルちゃんは蜜柑に話しかけていた



「蜜柑ちゃん、昨日より元気になったみたいだねv」


「うんっ。だって『星なし』が最悪の立場ならそっからは良くなる方向しかないもんねっ」



蜜柑はゴミ袋を持ってまた走り出した

裕くんも蜜柑を追いかけて走り出す





「ウチ、頑張るねっ」





ナルちゃんの表情が一変したのがわかった


「似てるな…」


「ナルちゃん…」


古宵の耳には鳴海の呟きはしっかりと聞こえていた

きっとナルちゃんはいまでもあの子のことが…ね、






そう思いながらも古宵は蜜柑たちの後を追うために走り出した





(思い出されるのは)
(あの子と過ごした大切な時間)








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