アリス



「…というか、燈月さんのアリスって何なのかしら?」



前髪がパッツンで、横髪が緩くカールされたスミレちゃんかな?(通称パーマ)が話しかけてきた



自然とみんなの視線は私とナルちゃんに集まってくる



蜜柑のこともあったから本当にアリスかという疑いや好奇心が強いのだろうか、此方を穴が空くくらいに凝視してくる子たちもいる






はぁ…、厄介なことになった。隠しとうせればと思っていたがやはりと言うところか、スミレちゃんが見事に聞いてくれてしまったよ、私のアリスはこの世界でたった一つのアリスだ。アリスが何か分かればもしかしたら棗辺りが正体に気付いてしまうかもしれない。だから出来るだけアリスは公にはしたくないのだが仕方がない。
こんなときの為に考えていて良かったとしみじみ思うよ


好奇心が旺盛なのは良いことだが時と場合によってはな、






「私のアリスは《言霊のアリス》よ、アリスの名前を言えば大抵のアリスは使えるわね」



あらあらナルちゃんが驚いている、そりゃ私のアリスは違うからね
こちとらバレちゃいけないのよ!!
まぁ《言霊のアリス》も珍しいけど正体がバレなきゃいいのよ、そんなの!!
初等部校長なんて私のアリスがありゃ怖くもなんともないわよっ




ふふふ、ナルちゃんが何か言いたそうだが無言の圧力をかけたから大丈夫ね(^言^)




「ほへ〜《言霊のアリス》なんて聞いたことあらへんわぁ。うちは《無効化》なんよ。ちなみに委員長は《幻覚のアリス》で蛍は《発明のアリス》なんやでっ!!」

「あらそうなの??」



流石蜜柑、空気の読めなさは世界一だ


「おん。二人とも優秀なんやで!!」





今思い出したが、蛍のお兄ちゃんは確か昴ちゃんだったな、懐かしいわ
いつもひよこ見たいに可愛かったが今はきっと…なんか悲しくなってきた
可愛かったときにはもう戻れないのね、と感傷に浸っていたらいきなり怒声が響いた









「ちょっと!!燈月さん、勝手に話を反らさないで頂戴!!」



あらら、そう言えばスミレちゃんに話しかけられてたんだったわ…



「パーマ……自己紹介くらいいいやん!!」


「ちょっと佐倉さん!私のはスミレよ!!正田スミレ。間違ったこと言わないでよね!」


「そう、スミレちゃんね?これから宜しく?」


「うっ…佐倉さんよりはましだからまぁいいわ」



と言うと蜜柑は、うちよりましってなんやねん!!と騒いでいた



まぁ蜜柑はスルーしてと、あっあれはルーちゃんだ!!
やっぱり実物は可愛いわ!!
是非とも仲良くしたい!!
ここは蜜柑に紹介してもらうしかないわね、



「蜜柑?あの金髪の子は?」


「あぁ、ルカぴょんの紹介してなかったな!!乃木流架くん、通称ルカぴょんやっ!!」


流架の近くまで行く


「宜しくね?ルーちゃん?」


私がルーちゃんと呼ぶと少しびっくりしていたが微かに反応はしてくれた


「はいはーい、お話は止めましょうねー」



せっかくルーちゃんとの交流が深められるはずだったのにナルちゃんは…

鳴海は大いにそれた話を元に戻した



やっぱりみんなナルちゃんのフェロモンの餌食になりたくないようだ、直ぐ様各々の席へ戻って行く




「宵ちゃんのアリスは《言霊のアリス》みんな分かったかな??」


そう告げると、ナルちゃんはさっさと教室を出て行った

副担先生が何か叫んでいるがスルーだスルー
だからこんなに荒れるんだよ
初等部の実態が少し分かった今日この頃だ






(私のアリスなんて)
(いいものじゃないわ)








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