変わってないね



「やっほ〜一己ちゃん☆」




ガチャッ、と高等部校長室の扉を勢いよく開け放った
開けた瞬間目に映ったのはいつものポーカーフェイスを少し崩して驚いている一己ちゃん、珍しいななんて思いながら一己ちゃんの顔を凝視する

そう言えば一己ちゃんにも姫様にも此方に帰ってきてるなんていってなかったな…
だから驚いてるんだよな、でもなんで姫様は驚かなかったのかな??

はて??と考えていると一己ちゃんが座っていた椅子から立ち上がりこちらに近づいてきた



ポカッ



「いったーい!!なにするのよ一己ちゃん!!」


「何するのじゃないだろう、10年間もこのバカ娘が」

「好きで居なくなった訳じゃないわ!!それにバカでもないわよ!!」


そう、10年前のは不可抗力だもの…
でも一己ちゃんも心配してくれたんだな、でもさっき叩かなくてもいいじゃない!!



なでなで



不貞腐れていたら一己ちゃんが頭を撫でてくれた
うん一己ちゃんの手は大好きだ
撫でられたまま話を続ける


「一己ちゃんもやっぱり全然変わらないのね」


「あぁ…、古宵その一己ちゃんは止めろ…」


「えぇー、じゃあ一くん??」


「……もういい」


「やったー!!」



ダキッ、一己ちゃんに勢いよく抱きつく
一己ちゃんはやっぱりお兄さんって感じするから落ち着ける…気がする←
ここで一応説明しておくと、別に一己ちゃんとは恋仲とかじゃないわよ??
まぁ、私がなついてるのは認めるけどね、よく一己ちゃんの所に授業サボりに行ってたのよ(ぇ)
成績良いから怒られなかったし、
一己ちゃん見てると思い出すな…
何で私は知っていながらも何も出来なかったのかしら…

しんみりとした空気が漂う
それを感じ取ってか一己ちゃんはまた古宵の頭を撫でた



「一己ちゃん…、私明日から初等部に入学するわ、もちろんアリスで体を縮めてね…」


「そうか…、気を付けろ」


一己ちゃんは私が初等部に入学する理由を聞かなかった。きっと一己ちゃんなりの優しさだろう、姫様もだ

「…ありがとう。


「あぁ、」


「//////じゃあまたサボりに来るわ!!」





バタンッ、と校長室の扉を閉める。どうやら先ほどの感謝の言葉はちゃんと届いていたようだった
小声でいったサボりには雰囲気をぶち壊すのでスルーして、

…明日から始まる
私はこの先を知っているんだ、これは私のあの人達に対する懺悔なのかもしれないわね、
ごめんなさい、私は何もしてあげられなかったわ…
だからその分力になれるように






(変わってなかったわね)
(さりげない貴方の優しさも)











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