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「…さぁて、レオちゃん…お姉さんとじっくりお話しましょうか?」
にっこりと微笑む古宵
微笑んでいるのに目は笑ってないが
「何を話すんですか古宵先輩?」
ニコニコ笑いながら問い返すレオ
「そうねぇ、私達側に付かない?
レオ」
名前を呼び捨てにされた瞬間レオはビクリと体を震わせた
「何言ってるんですか?俺はZですよ?」
「えぇ、そうね。でも貴方はZである前に私の飼い猫よ?それにレオは私のお気に入りの1人なのだから…どうする?強制はしないわ」
「……でも」
悩みだすレオ
あと一押しね…
「Zにばれるのが嫌だったら私がネットワークをいぢって何とかすることも出来るわ」
アリスにとってそんなことはチョチョイのチョイだ
さぁ、レオ貴方はどちらの手をとるかしら?
未だになやんでいるレオ
これは最終手段を使うしかないわね…
「余りいいたくないけど、Zに付くと言うことは私の敵になる。そして貴方は私の飼い猫じゃなくなるわ…、そうね今度はあの子にしようかしら?ねぇ…
偲炎?」
古宵は何もない、誰もいないところに向かって話し掛けた
そう、何も誰もいない所にだ
しかし
「うんうん♪レオなんて捨てて僕だけを可愛がってよ古宵ちゃん♪」
何も誰もいない所から一人の派手な女物の着物を羽織りがわりにした可愛い顔の青年、いや少年ともとれる男が出て来た
レオはそれに驚いたが古宵はさも同然のような顔つきで微笑んでいた
「…なん…でお前が此処にいるっ……偲炎っ!!」
偲炎と呼ばれた青年はレオを無視し、古宵に駆け寄って抱き着いた
「え〜、だって古宵ちゃんいるし♪それに古宵ちゃんレオを捨てるんでしょ?なら古宵ちゃんは僕だけを可愛がってくれるってことだよ?嬉しすぎて出て来ちゃったぁ♪」
尚も古宵に抱き着く偲炎
やはりそれを快く思ってないものが此処に一人
「おい、偲炎。まだ俺は捨てられてないから!!ねぇ、先輩?」
必死に縋るレオ
…か わ い い !!
偲炎も可愛いけど
自由に羽ばたいてる人が此処に一人←
「はっ、古宵ちゃんはレオなんかいらないもんねー」
「なんだと、偲炎」
既に収集が付かない自体になってきた
「「ねぇ、古宵ちゃん/先輩」」
…
「え、何が?」
話を聞いていなかった(オイ
「…えっと、結局レオはどうするの?因みに偲炎は私の仲間よ?」
「古宵ちゃん、別にレオいらないよ?」
上目遣いする偲炎
偲炎のハンパない可愛さによって古宵の意見が傾きかけたとき…
「古宵先輩、俺は今でも貴女の飼い猫でありたいです…」
…なんかどっかで聞いたことある台詞なんですけど
え、そこは気にしないでって?
あー、なんか壱枷が鳥○さん好きらしくて鴉の台詞に萌えたからこんな台詞が出て来たらしいです←
「…レオ、本当にそれでいい?」
「はい!!」
「よしっ、じゃあ学園とZに見つかる前に逃げますか!!」
「オッケーだよん♪」
逃げる準備をする二人
何故学園からも離れるのかと思ったレオが古宵に聞く
「先輩、何で学園に戻らないんですか?」
「そんなことも分からないの〜?レオって馬鹿だよね〜」
「お前は古宵先輩以外には毒舌だよな、何とかならないのかよ」
一触即発状態のレオと偲炎
それを止めるのは…
「二人ともいい加減にしなさい。レオ、学園には一次戻らないだけよ。いずれ戻るわ」
パンパンて手を打つ古宵
「さて、もうすぐ此処へ誰かしらくるわ…だから瞬間移動で私の家に移るから二人とも私に掴まって!!」
「はぁい♪」
「わかりました♪」
二人が掴まった事を確認すると古宵は瞬間移動のアリスを使いこの場から去った
3人が去った後には未だに眠っているZ達しかいなかった
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その頃学園では…
蜜柑、スミレ、棗は無事とは言えないが帰って来たためみんな安堵していた
が、その中に古宵の姿が見当たらないことに鳴海が気づき教員全員で古宵を捜したが見つからなかった
この事件は3人の無事と引き換えに古宵の行方不明という何とも言えない結果で終わってしまった
(古宵先輩、何処に行ったんですか?)
(さぁ行くわよ、偲炎にレオ)
本格的に始動よ
《第1章・完》
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