第21Q



「…緑間っちはヨユーみたいっスね」

「ま、当然だろ
相手もフツーの中堅校だし。
波乱はまずねーだろ
あるとすりゃコッチ…なんだが…」


春日さんから始まったパス回し、ボールを持つ時間が短い

「水戸部行ったぞ!」

水戸部先輩がブロックするも、岩村さんはまた、パスを回す

そして、ハゲ…じゃなくて津川がシュートを撃とうとする所で、火神がまた


『ファウル…!?』


3個目か…


「火神っちの得点で誠凛もエンジンかかったと思ったンスけど、
あと一歩上手くいかないっスねー。
でもなんでッスかね?悠音は焦った様子はないんスけど…」


「オマエ、悠音ちゃんばっか見てんじゃねー。
まぁ、いくらなんでもDFだけじゃ王者名乗れねーよ。
OFだって並じゃねー。
確かに正邦にオマエや火神みてーな天才型スコアラーがいねーけどなタイプが違うんだよ。
OFもDFも古武術の応用してる。
特に3年ともなれば相当のレベルで使いこなしてる。

正邦は天才のいるチームじゃねー。



達人の居るチームなんだよ」

「……達人ならいるっスよ
誠凛にも」

津川…間違えたハゲが、テツにぶつかった。

「すいません」

「キミは…誰!?
てか出てたっけ試合!?うっそだーマジ!?
存在感なさすぎっしょー!!」


うるさいなー
あの子よりうるさいなんて…


「そうか!別れたのか!!
まぁ、良くわかんないけど、補欠君的な人?じゃあそのままがんばって出ててよ!
去年先輩たちキミんとこに第1Qで20点差つけてたらしーんだ!
だから30点差くらいつけたくってさ!ガッカリしないでね!
えっと…補欠の人!」


「…わかりました
ガッカリしないようにがんばります」



本当に超密着と言ったところで…パスを通すのがしんどいようだ
そして伊月先輩がパスを岩村さんの裏側に回す。
そこにはちょうど、テツが居て、そのまま水戸部先輩に回した
観客の人たちには、テツは見えていないかのようで、ボールが戻ってきたのだと思っている。

「まぁまぁ落ち着きんしゃい〜〜…」

春日さんはスルリと伊月先輩を抜いた
しかもそれは、まったく力を使っていないようなのに、速い

「っしょ〜〜〜い…」


春日さんが撃とうとした時、火神がブロック

「あららぁ…!?」

第1Q最後にキャプテンさんが3Pを決めた

「…そう言えばさっきまたコイツがバカいったそうだな。
お宅のマネージャーにも」

「ああ…いや…ぶっちゃっけ…はい
去年のトラウマ思い出したし…けどまぁ、全然いっすよ

乗り越えたし」

そう、今は同点!!


光が、差した。





第21Q りこえたし

(やっと同点か…)








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